安倍政権が安保法案をめぐり衆院憲法審査会で墓穴を掘って以来、法案の違憲性について多くのメディアが盛んに報じるようになった。それを追い風に、安保法案の阻止を目指す市民運動が活発になっている。そこでにわかに脚光を浴びて運動の中心に躍り出たのが、SEALDs(シールズ―自由と民主主義のための学生緊急行動)だ。 このたび機会あってSEALDsのホームページを熟読してみたが、その主張にはいくつか疑問を感じるところがあった。私とてわざわざ海外から、せっかく盛り上がってきた運動に冷や水を浴びせるつもりはない。しかし日本社会の民主主義と東アジアの平和について考えるうえで重要な問題だと考え、以下にあえて疑問点を記しておきたい。 SEALDsの主張は「CONSTITUTIONALISM(立憲主義)」・「SOCIAL SECURITY(社会保障)」・「NATIONAL SECURITY(安全保障)」の三点から成