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池田信夫と経済に関するyukio2005のブックマーク (76)

  • 大不況の経済学 - 池田信夫 blog

    来週の週刊ダイヤモンドの特集は、現在の不況についての経済学者の見方を多面的に紹介している。「リフレ派」や「市場原理主義批判」は姿を消し、ケインズ派と主流派の論争が軸になっている(私も読書案内を書いた)。これは国際的な標準に近い。 印象的なのは、もっともケインズ派に近い吉川洋氏でさえ「需給ギャップを埋める」という伝統的なケインズ政策を否定して「持続的な成長」を説いている点だ。土居丈朗氏も「乗数効果は1未満」だとし、野口悠紀雄氏も北村伸行氏も「産業構造の転換が必要だ」という。福田慎一氏は長期国債を買うなどの非伝統的な金融政策も必要だとするが、政府紙幣や無利子国債などの「奇策」については肯定的な意見はゼロ。 雇用問題についても、川口大司氏は「規制強化は逆効果」と厚労省の政策を批判し、年金問題について鈴木亘氏は「巨大な世代間不公平が質的な問題」とする。「北欧モデル」が検討に値するという点で、

    yukio2005
    yukio2005 2009/04/01
    年をとったら「アメリカ製だからだめだ」と転向するパターンは、藤原正彦氏も共通。両方とも、学者として見るべき業績がないのも同じ。本質的に学問を勉強しないで、アメリカ製というブランドを振り回していただけ
  • 贈与論 - 池田信夫 blog

    書は、経済学でいえば『国富論』のような文化人類学の古典の新訳である。その最大の発見は、市場における交換より共同体の中の贈与のほうが人類史の大部分において普遍的だったということだ。中でも「ポトラッチ」と呼ばれる大規模な贈与は、儀式に招待した客に家に貯蔵した物をすべてふるまったり、財産を村中に配ったりする。これは一方的な贈与だが、贈与されたほうは返す義務を負う。 この不合理なシステムをどう理解するかについては、いろいろな議論がある。モース自身は贈与をコミュニケーションの一種と考え、これがのちにレヴィ=ストロースが『親族の基構造』で婚姻体系を女の交換として理論化するヒントになった。カール・ポラニーはこうした「象徴的交換」が市場の原型だと論じたが、これはブローデルも批判するように誤りである。市場は贈与と共存しており、一方が他方に転じたわけではない。 Carmichael-MacLeodは

  • 資本主義は「赤の女王」である

    ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』に、赤の女王というキャラクターが出てきます。この世界では、すべてがあべこべで、アリスが女王と一緒に走ってもまわりの風景は変わりません。アリスが驚いて「まあ、まるでずっとこの木の下にいたみたいだわ! なにもかももとのまま!」というと、女王はこう答えます。「ここでは同じ場所にとどまるだけで、もう必死で走らなきゃいけないんだよ。そしてどっかよそに行くつもりなら、せめてその倍の速さで走らないとね!」 このメタファーは有名で、生物学にも「赤の女王仮説」というのがありますが、ビジネスにも通じます。資主義は、つねに新しいことを続けていないと競争に敗れる、赤の女王の世界なのです。これは実は、新古典派経済学が想定している市場経済とはまったく別の原理です。市場経済は古典力学的な均衡に向かう熱的な孤立系で、均衡状態では利潤はゼロになります。しかし利潤がゼロになったら、資

    資本主義は「赤の女王」である
    yukio2005
    yukio2005 2009/03/15
    資本主義は、つねに新しいことを続けていないと競争に敗れる、赤の女王の世界
  • 「なぜ世界は不況に陥ったのか」 | isologue

    日経BPさん(池田さん)から、送っていただきました。どうもありがとうございます。 しかし、来週池尾先生にお会いする予定もあったりして、待ちきれずにもう自腹で1冊購入させていただいておりました。 — この、現在の金融危機の発生メカニズムの全体像を把握するには、非常にまとまっていて、いいだと思います。 池田さんのお話の部分は、池田信夫ブログを愛読されている方なら一通り聞いたことがある話が多いかと思いますが、池田さんの話は全体の2〜3割に押さえられていて、池尾先生の話が多めになってます。 このの意義は、「巷に蔓延する俗説を斬る」ということにあるかと思いますが、お二人の立ち位置としては、池田さんが「ボケ」で池尾さんが「ツッコミ」というか、池田さんは今回は(あえて)俗説寄りの疑問をぶつけ、池尾さんがそれをやさしく受け止める的な展開が多く見られるのではないかと思います。 ただ、池田さんが「これこ

  • 日本経済のダメージはなぜアメリカより大きいのか - 池田信夫 blog

    30分で書いた先日の記事が思わぬ議論を呼んでいるので、補足しておく。書き方が混乱をまねいたのは申し訳ないが、これは「外国貿易乗数は大国のほうが大きい」という常識を書いただけだ。ちょうど先週出た日銀の金融経済月報に、この原因についての分析があるので、引用しておこう:わが国の生産の落ち込みは、世界的な景気調整の震源である米国と比べても、むしろ大幅なものとなっている。これには、以下に示すように、日米製造業の構造の違いが大きく影響していると考えられる。 第1に、鉱工業を構成する産業のウエイトの違いである。鉱工業の生産の内訳をみると、わが国は、落ち込みの大きい輸送機械(自動車等)、電気機械類(電子部品・デバイス、電気機械、情報通信機械)、一般機械(設備機械等)の3業種で鉱工業全体の約5割を占めているのに対し、米国では、それに対応する業種の比率は2割程度。 第2に、輸出の影響の違いである。輸送機械

  • 金融危機の本質は何か - 池田信夫 blog

    著者は昨年の12月に『世界経済危機 日の罪と罰』を出したばかりだが、そこから2ヶ月もしないうちに金融危機についての2冊目のが出た・・・ようにみえるが、中身の大部分は週刊東洋経済に連載されていた「説話ファイナンス理論」である。タイミングは偶然だろうが、金融危機を理論的に考えることは重要だ。 しかし前のも含めて、著者のアプローチには疑問も残る。それは彼の議論が一貫して効率的市場仮説にもとづいている点だ。たとえばブラック=ショールズ公式の前提は、オプション価格の値動きが対数正規分布(幾何ブラウン運動)になっていることだが、株式市場や外為市場の価格がベキ分布になることは、多くの実証研究が示している。マルキールの有名な教科書でさえ、最新版では行動ファイナンスに1章をさいているのだが、著者はそういう「邪道」の理論には言及もしない。 したがって今回の金融危機の説明も、「正しく使えば問題のないフ

  • ニューディールが大恐慌を長期化した - 池田信夫 blog

    Cole-OhanianがWSJに、彼らの大恐慌についての実証研究を要約している:1930〜32年に総労働時間は1929年の水準から18%下がったが、ルーズベルト大統領の就任後の1933〜39年には23%下がった。その最大の原因は、ニューディールである。特に1933年に制定されたNIRA(National Industrial Recovery Act)によって反トラスト法が停止されて価格カルテルが公認されたため、最終財の価格が上昇し、需要が低下した。 さらに1935年にワグナー法によってストライキや賃金カルテルを合法化したため、1930年代後半に実質賃金は25%も上昇した。1937〜38年に実質GDPが低下した原因は、37年に連邦最高裁がワグナー法を合憲とし、実質賃金が急激に上がったためだ。 オバマ大統領は、長期的な成長率を高める政策に集中すべきだ。それは金融システムを再建するとともに、

    yukio2005
    yukio2005 2009/02/02
    20世紀の世界各国の大不況の主要原因は需要不足ではなく、経済システムの混乱による潜在成長率の低下で、景気対策は不況を長期化させた
  • 致命的な思いあがり - 池田信夫 blog

    雨後のタケノコのように出る「大恐慌」を立ち読みしてみると、ほとんどが「アメリカ金融資主義の破綻」→「新自由主義は終わった」→「思い切った景気対策を」といったお手軽な論理展開で、これなら池尾・池田も製品差別化できそうだ。書を読めば、そういう「ネオリベ批判」がいかに下らないかがわかるだろう。 書はハイエクの最後の著作だが、これまで邦訳が出ていなかった。それは書がどこまでハイエクの著作なのかについて疑問があったからだ。ハイエクは健康を害していたため、彼が書いたのは未完成の草稿(未公開)だけで、それをW・バートリーⅢ世が編集したのだが、このとき編者が大幅な改変を加え、しかもそれを明記しなかったため、どこまでがハイエクの著作かよくわからなかった。ただ最近の研究では、大筋ではハイエクの了解を得ており、それほどひどい改竄は行なわれていないとされる。 内容の完成度は高くないが、90歳に近か

    yukio2005
    yukio2005 2009/01/29
    人類が進化の大部分を過ごした小さなグループでは、目的を共有して他人と協力することがきわめて重要で、感情はそうした共感のための装置である。しかしこうした行動原理は「大きな社会」では機能しない
  • 労働者管理企業としての日本企業 - 池田信夫 blog

    雇用問題への関心は私の想像した以上に強く、メディアの取材もそこに集中している。これはいい機会なので、企業統治の観点からこの問題を考えてみよう。 日企業は、よく「労働者管理」だといわれる。これは冗談ではなく、日企業の経営者はほとんどがサラリーマンで、株主の議決権は「持ち合い」などで制限され、ROEは平均数%と先進国で飛びぬけて低い。いろいろな指標でみて、日の会社は、かつてのユーゴスラビアのような労働者管理企業の特徴をそなえているのだ。 こうした企業が、かつては理想だと考えられていた。サンディカリズムは、資蓄積を否定して組合による企業経営を指向した。ユーゴはそれを国家レベルで実現した。エンゲルスはサンディカリズムを「空想的社会主義」と軽蔑したが、「労働者が自分の主人になる」という理想は、実はマルクスの掲げたものであり、それ自体は美しい。最近よく話題になるベーシック・インカムも、フラ

  • 19世紀には労働者はみんな「派遣」だった - 池田信夫 blog

    派遣や請負のような形で、企業の内部に契約労働者がいるのは、新しい現象ではない。むしろ資主義の初期には、親方が職工を契約で雇って職場を点々とする内部請負制が主流だった。これは周知の事実なので、私の昔のの記述を丸ごと引用しておく。19 世紀中葉のアメリカでは,工場の中で一定のまとまった工程を請負人(contractor) と呼ばれる熟練工が管理し,その配下の職工を使って生産を行う「内部請負制」と呼ばれるシステムがとられていた.これはギルドの影響を残すイギリスの制度が輸入されたもので,請負人自身は被雇用者であったが,資家と請負価格などについての契約を結んで職場を管理し,その配下にある職工たちを歩合給でやとって作業を行なった.[...]日でも,第一次大戦ごろまでは「親方」あるいは「頭」と呼ばれる職長が職場を管理する「間接的管理体制」が造船業などの重工業に広く見られた. 親方は入札によって

  • 部族社会と大きな社会 - 池田信夫 blog

    雇用問題の質は「市場原理主義」でも「階級闘争」でもない。戦後しばらく日社会の中核的な中間集団だった企業の求心力が弱まり、社会がモナド的個人に分解されることだ。それは農村共同体が解体して社会不安が強まった1930年代の状況と似ている。かつてのような軍国主義が出てくることはないだろうが、こういうとき警戒すべきなのは、かつての青年将校のような短絡的な「正義の味方」である。 このような伝統的コミュニティの崩壊は、近代化の中では避けられない過程で、多くの人々がそれを論じてきた。これをもっとも肯定的に論じたのは、マルクス・エンゲルスだった。遠い昔からの民族的な産業は破壊されてしまい、またなおも毎日破壊されている。これを押しのけるものはあたらしい産業であり、それを採用するかどうかはすべての文明国民の死活問題となる。[・・・]昔は地方的、民族的に自足し、まとまっていたのに対して、それに代わってあらゆ

  • 失業は「自己責任」ではない - 池田信夫 blog

    派遣村をめぐる論争は、ますます過熱しているが、その争点が「失業は自己責任か」という点に集中しているのは困ったものだ。これは湯浅誠氏が強調する点だが、問題の的をはずしている。有効求人倍率0.76という状態では、どんなに努力しても4人に1人は職につけない。つまりマクロ的な経済現象としての失業は、労働の超過供給という市場のゆがみの結果であり、労働者の責任でも企業の責任でもない。 失業をもたらした最大の原因はもちろん不況だが、長期的な自然失業率を高めているのは正社員の過剰保護である。だから「ノンワーキング・リッチ」に責任があるのではなく、OECDも指摘するように、彼らを飼い殺しにするしかない労働法制と解雇を事実上禁止する判例に問題があるのだ。 民主党のように選挙めあてで派遣規制の強化を求める政治家の卑しさはいうまでもないが、もっと厄介なのは、派遣村の名誉村長、宇都宮健児氏のように善意で運動して

  • 隷属への道 - 池田信夫 blog

    書の初版は1944年である。それから65年たっても原著がまだ(3種類も)カタログに存在し、日語訳もこうして新版が出るのは、もはや古典としての地位を確立したからだろう。原著はアメリカで100万部近いベストセラーになったが、書評で取り上げたのはAERだけだった。書によってハイエクは「資家を擁護する保守反動」というレッテルを貼られてしまい、のちのち書の出版を後悔することになる。 書をいま読むと、当時なぜそれほど悪評高かったのか、理解に苦しむだろう。「社会主義は破綻する」とか「財産権が自由な社会の基礎だ」といった、当たり前のことばかり書かれているからだ。しかし書が出版されたころ、日では軍国主義が猛威を振るい、欧米でも社会主義が未来の経済システムとみなされ、ケインズの「修正資主義」が賞賛されていたことを忘れてはならない。当時ハイエクは、たった一人でこうした計画主義と闘ったのだ。

    yukio2005
    yukio2005 2009/01/14
    ハイエクが本書で繰り返し強調するのは、個人に理解しえない力が社会を動かしているということ
  • 不況のサイクル - 池田信夫 blog

    時間的には必ずしも正確に対応していないが、同じような段階をへて危機が深化してゆくことがわかる。今は初期の需要ショックの影響が、雇用に出てきた3の現象的段階だ。ここで「雇用対策」がとられるのも定型的事実だが、雇用不安というのは不況の結果にすぎないので、それをいくらいじっても問題は解決しない。次の段階では場当たり的なバラマキが行なわれるが、これまでの経験ではほとんど効果がない・・・ということがわかってくると、人々の不満が政治に向かい、90年代には政権交代が起こり、2000年代にも小泉内閣によって擬似政権交代が起こった。 次の段階では、金融システムに影響が及ぶだろう。90年代には、不良債権処理を大蔵省が先送りして世界最長の不況を作り出したが、2000年代には「竹中プラン」などで曲がりなりにも最終処理が進められた。その前例からみると、今回も不況が長期化すると金融システム不安が再燃する可能性がある

  • [高校生の経済学] 需要と供給 - 池田信夫 blog

    当ブログでは、不定期に「中級経済学事典」というテーマでややテクニカルな話題を扱っているが、昨今の雇用をめぐる混乱した議論をみていると、特に政治家には高校の「政治・経済」で教わる程度の経済学も理解されていないようだ。当ブログには衆議院からもアクセスが多いので、「高校生の経済学」と題して、超基的なことをあらためて書いておく。 まず、いうまでもないことだが、市場では図のように価格は需要と供給で決まる。これはバナナでも労働サービスでも同じだ。それを「労働力商品の価格は需要と供給に任されてはならない」などという「べき論」で変えることはできない。変えるには、市場を廃止して統制経済にするしかない。 次に同じく高校レベルの知識だが、価格が下がれば需要は増える。労働の需要と供給が均衡する雇用水準をn*とすると、賃金wが図のように均衡水準w*より高いと、失業n*−nが発生する。ここで賃金を下げれば労働需

    yukio2005
    yukio2005 2009/01/07
    つまり「雇用対策」などというものは意味がなく、雇用を増やすにはGDPを高めるしかない
  • 中川秀直氏のためのペラ1枚でわかる金融政策 - 池田信夫 blog

    政治家に「レク」(政策の説明)をするとき、よく「ペラ1枚で」(A4の紙1ページ)という。族議員ならペラ3枚ぐらいはいいが、閣僚級は1枚が原則で、「ポンチ絵」でわかるのがいい。中川秀直氏ぐらいの大物になると、細かい経済学の話なんて聞いている暇はないだろうから、当ブログでもポンチ絵つきで金融政策を解説してみよう。きのう紹介した中川氏のブログには、こう書かれている:FRBは大胆な金融緩和政策に踏み切った。日銀はどうか。日銀は「通貨拡張が景気回復への最短の道である」との考え方に賛成なのか、反対なのか。日銀の思い切った非伝統的手法、政府の思い切った改革加速、その組み合わせこそが09年の日を明るくすると考える。ここで「非伝統的」というのは、政策金利の誘導以外の手段をいう。具体的には、量的緩和やリスク資産の購入だ(さすがにインフレ目標は中川氏もいわなくなった)。FRBが巨額の非伝統的な政策を発動してい

  • 明けましておめでとうございます - 池田信夫 blog

    今年も年賀状は出さないので、ブログでごあいさつ。 去年は暗い話題が多かったが、今年はたぶんもっと暗い年になるだろう。90年代には銀行や不動産などの「放蕩息子」が日経済をいつぶしたが、唯一の「働き手」だった輸出産業が倒れた今回の状況は、もっと悪いからだ。ただ私は、日経済が一度は徹底的にだめになったほうがいいと思う。敗戦で財閥が解体されたとき、日では世界史上にもまれなイノベーションが起こった。戦後の高度成長は、古い企業が破壊された焼け跡に創造されたのだ。 かつてマレーシアの熱帯雨林で、1ヶ月ほど撮影したことがある。「地球を守ろう」などというセンチメンタリズムでは、熱帯雨林はガラスのように繊細なものと思われているのだろうが、実際の熱帯雨林は猛烈な勢いで破壊の進行する生態系だ。至る所に高さ数十メートルの大木が倒れて、「ギャップ」と呼ばれる大きな穴があいている。その木もシロアリに分解され

  • トヨタの長すぎた栄光 - 池田信夫 blog

    今年の日経済を振り返ると、最大のサプライズは年末に明らかになったトヨタの赤字だろう。かつてトヨタは、向かうところ敵なしだった。奥田碩氏が経団連の会長だった時代には、財界の政策立案を行う渉外部に70人ものスタッフを擁し、経済政策を動かした。電波政策にまで口を出し、通信業者が使うはすだった710〜730MHzにITSが割り込んだ。 トヨタは「環境にやさしい」自動車を宣伝しているが、環境に一番やさしいのは不要な自家用車を減らすことだ。交通事故を減らすもっとも効果的な方法も、車を減らすことである。そんなことは自明だが、車に依存して道路を建設している政治家も、交通警察官の雇用を維持している警察もそれはいわない。奥田氏の「マスコミに報復してやろうか」という発言にも、メディアは沈黙した。トヨタが暗黙の「検閲」をやっていることは、業界ではよく知られているからだ。 トヨタが悪いのではない。トヨタ以外に

  • 金融危機についての入門的まとめ - 池田信夫 blog

    年末になって、屋にはぞろぞろ「大恐慌」が出てきた。現在の不況を「大恐慌」などと名づけるは、それだけで読まないほうがいい。それは著者が1930年代と現在の違いを理解していないことを示すからだ。しかし官僚やメディアにはそのレベルの理解も共有されていないようなので、今年の記事をまとめて金融危機についての入門的な知識をまとめておこう。ちょっと長いので、いつも読んでいる読者は飛ばしてください。金融危機の原因は大恐慌とは違う:今回のアメリカの金融危機の最大の原因は、住宅バブルの崩壊にともなって、複雑でリスクの見えにくい金融商品の逆淘汰が起こったことによる金融システムの崩壊だ。これは30年代の大恐慌とも日の90年代とも異なる21世紀型の危機であり、既知の処方箋はない。マクロ政策は、一時的な「痛み止め」の意味はあるが、今回の危機はそれだけで自然治癒するほど軽傷ではない。 大恐慌は再来しない:シュ

  • 昭和恐慌は再来しない - 池田信夫 blog

    朝日新聞に、「昭和恐慌に学べ」というあきれた記事が出ている。学習院大学の岩田規久男教授は「昭和恐慌のようにデフレに陥ると、相当果敢な政策を採らないと立ち直れない」と政府・日銀の積極対応を促す。ただ、当時と違い現在は国債発行残高が積み上がり、政策の自由度を奪っている。この神谷毅という記者は、今のほうが「政策の自由度」が低いぶん昭和恐慌より悪いといいたいようだが、この記事は他方で「金位制が大恐慌の原因だった」とも書いている。彼は、今の日が金位制だと思っているのか。EichengreenやBernankeが明らかにしたように、金位制による信用収縮の連鎖が大恐慌の大きな要因であり、日の昭和恐慌の引き金も1930年に行われた金解禁だった。だから、こういう「大恐慌の再来」論は、ほとんどの専門家が否定している。大恐慌の教訓に学んで、いま世界の中央銀行は流動性を最大限に供給しているからだ。 岩