ワシントンでは野党民主党が主導するトランプ大統領に対する弾劾手続きが着々と進んでいる。大統領の弾劾は約250年のアメリカの政治史上でも3度しか前例がない、いわば歴史的な一大事だ。にもかかわらずそれほど大きなニュースになっていないのはなぜか。 今回の弾劾は大統領がウクライナに対する軍事援助と引き換えに、2020年の大統領選で脅威となる可能性のある政敵の民主党バイデン元副大統領親子の不正に関する調査を要求するという、職権乱用の嫌疑が懸けられている。もし嫌疑が立証されれば、個人の政敵を追い落とす目的で大統領の外交権限を乱用したことになり、不正行為としてもかなり重い部類に入る。 実際、政権が誕生して以来、トランプ大統領はこれまでの常識ではあり得ないような数々の不祥事やスキャンダルに塗れながら、失脚を免れるばかりか、一定の支持率を維持し続けてきた。数々の差別的発言は言うに及ばず、顧問弁護士を使って愛
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