【本の概要】◆今日ご紹介するのは、ブログ、"Life is beautiful"でお馴染みの、中島 聡さんのご本。 すでに、小飼 弾さんが記事になさっているので、お求めになられた方も多いかもしれません。 ・・・てか、エントリ上に著者ご本人(と、先日対談された海部美知さん)が降臨されてるんですが(笑)。 日頃、名無しコメントが付きがちな小飼さんのブログも、さすがに大御所が揃い踏むと誰も書けませんね(汗)。 ◆さて、タイトルにもある「おもてなし」。 これは、中島さんがブログ上で、"User Experience"の適切な日本語を募集したところ、「『おもてなし』だと思います」というコメントがあり、その言葉を中島さんご自身が気に入られたことに端を発しています。 しかも、この「おもてなし」、何と「はてなダイヤリー」に登録され、『現代用語の基礎知識』に収録されたのだとか。 本書では、アップルとソニーの
そもそも、なぜ日本の社会は鉄道に正確さを求めるのか? そして鉄道人たちは、どのようにして世界一の正確さを実現させているのか? 「定刻発車」をアタリマエとする文化とそれを支える巨大システムについて、真っ向から取り組んでいる。 切り口が非常に面白い。鉄道サービスのサプライヤ側の技術紹介に閉じておらず、歴史や地勢、文化の面からの目配りも効いている。定刻発車がなぜアタリマエなのか? といった根源的な問いは、鉄道という枠を越えて日本社会論まで踏み出している。 まず、「定刻発車」の源は江戸時代までさかのぼる。不定時法とはいえ全国規模の時報システムを持ち、「一刻」とか「半刻」とかいう時間感覚を持っていたことは大きい。あの頃から時刻に敏感な国民性だったんだね。 さらに、参勤交代制が日本の「駅」のありようを決めたという。人が一日で歩ける距離をベースに「駅」の間隔は決められ、日本の都市は鈴なりになって発展する
2012年07月07日16:00 カテゴリ書評/画評/品評Value 2.0 次の四半世紀のための問題集 - 書評 - 未来をつくる資本主義 英治出版の松本および竹井両氏より献本御礼。 未来をつくる資本主義 (増補改訂版) Stuart L. Hart / 石原薫訳 [原著:Capitalism at the Crossroads] 初出2008.03.14; 2012.07.07 増補改訂版 本書が提示する問題を、一人でも多くの人に共有してもらいたい。 それらの問題の解決策というのは、共有するものが多ければ多いほど優れたものとなるはずなのだから。 以下は初版に対する書評。ただし目次は増補改訂版 本書「未来をつくる資本主義」、原題"Capitalism at the Crossroads"は、英治出版のDIPシリーズの中核となる一冊。さらに「ワールドインク」が四月初頭に、「ディープエコノミ
2008年03月14日00:00 カテゴリ書評/画評/品評Lightweight Languages (use gauche); 書評 - プログラミングGauche ピンポーン。ベッドから飛び出してインターフォンへ「はい?」 プログラミングGauche Kahuaプロジェクト / 川合史朗監 初出2008.03.13; 販売開始まで更新予定 「SWQ便です」「むぁ、ふぁーい」 ピンポンピンポーン。およ、もう玄関だ。「今行きまーす」 「お荷物こちらになりまーす」ん、また献本か、え、オライリー?オライリー!もしや! ベリベリ「あ、やっぱり!!」「すみません、先にサインを」 失礼しました。というわけでオライリー矢野様より献本御礼。 本書「プログラミングGauche」は、文字通りGaucheプログラミングの本、でGaucheとは何かというと、Practical、つまり実践的なschemeの実装。
2008年03月12日22:45 カテゴリTaxpayer 門倉onベーシック・インカム - 書評 - ワーキングプアは自己責任か 大和書房の三輪様より献本御礼。 ワーキングプアは自己責任か 門倉貴史 門倉貴史の本はすでに数多く書評してきたが、献本を受けたのは初めてのはず。 本書「ワーキングプアは自己責任か」は、同著者による「ワーキングプア」の事実上の続編。続編ではあるが、状況分析と提言は本書の方が詳しい。どちらかを入手すべきかといえば、こちらの方がいいだろう。 目次 - 大和書房 | 人文書 | ワーキングプアは自己責任かより はじめに 第1章 フリーター漂流時代の悲劇 第2章 諸外国でも増える絶望する若者たち 第3章 ワーキングプアから脱出できない現実 第4章 働きすぎで「心のワーキングプア」になる正社員 第5章 ワーキングプアの連鎖を断ち切るために おわりに 本書のコアとなる著者の問
2008年03月12日15:30 カテゴリ書評/画評/品評Art 岡野節ベスト - 書評 - 学校の勉強だけでは飯は食えない! こう書房編集長梶原様より献本御礼。 学校の勉強だけではメシは食えない! 岡野雅行 今までの岡野節の中では、文句無しに一番の出来。岡野雅行ファンなら必読。岡野雅行の本をまだ呼んだ事がない方は、他は忘れて本書を入手すべし。 本書「学校の勉強だけでは飯は食えない!」は、世界一の職人との呼び声も少なくない、職人岡野雅行が、43の質問にガチで答えた一冊。 目次 - こう書房 - 書籍詳細より 「人間関係のカラクリ」がわからないキミたちへ! 「自分の夢のかなえ方」がわからないキミたちへ! 「どんな仕事についたらよいか」がわからないキミたちへ! 「成功するためのプラスα」がわからないキミたちへ! 「アイデアの出し方」がわからないキミたちへ! 「人生の壁の乗り越え方」がわからない
【本の概要】◆今日ご紹介するのは、かつてソニーの開発畑で、ウォークマンをはじめとした数々の製品を世に送り出した、大曽根幸三氏に関するご本。 ソニー内部では「井深大はソニーの行くべき方向を示し、大曽根幸三は現場でその方法を示した」と言われていたそう。 本書においても、思わず唸る名言がテンコ盛りです! いつも応援ありがとうございます! 【目次】第1章 逆風でも帆を上げろ―プロフェッショナル根性論 失敗は闇から闇へ葬れ 新しいアイデアは上司に内緒で作れ ほか 第2章 市場は探るな、創造せよ―独創的商品開発論 絞った知恵だけ付加価値が生まれる 商品の操作ボタンは3つまで ほか 第3章 奇人、変人を活かせ―カリスマ的人心掌握術 急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め 小心者ほど言い訳がうまい ほか 第4章 選択する知恵、捨てる勇気、守る執念―攻撃的経営論 弱点を解決すれば新しい市場が生まれる 選択する知恵、捨
2008年03月11日14:45 カテゴリ翻訳/紹介Money 芝麻開門 - 書評 - 馬雲のアリババと中国の知恵 日経BPより献本御礼。添え状を掃除の時になくしてしまったようだ。書評が遅くなったこととともにお詫びを。 馬雲のアリババと中国の知恵 鄭作時 / 漆嶋稔訳 [原題:阿里巴巴:天下没有難做的生意] 中国人の、中国人による、中国人のためのECサイトは世界を制することができるか? 本書「馬雲のアリババと中国の知恵」は、浙江省の一英語講師が、いかにして世界有数のB2Bサイト「アリババ」を築き、C2Cサイト「淘宝網(タオバオ)」で中国においてebayと互角以上の戦いを繰り広げ、「第三者決済」という仕組みに不案内な中国で「支付宝(アリペイ)」という決済システムを作るに至ったかを綿密な取材を元に一冊にまとめあげたもの。 Alibaba Manufacturer Directory - Sup
2008年03月11日01:30 カテゴリ書評/画評/品評Psychoengineering スイーツ(笑←ってる場合じゃない) - 書評 - 彼女があのテレビを買ったワケ ミーツ・コミュニケーション・デザインの福嶋様より献本御礼。 彼女があのテレビを買ったワケ 木田理恵 「実はそういうことか」という驚きよりも、「やっぱりそういうことか」という共感に溢れた、本書自体が女性心理の反映のような一冊だった。 本書「彼女があのテレビを買ったワケ」は、主婦マーケティング(マーケティングリサーチ):ハー・ストーリィ社のチーフプロデューサー、木田理恵が女性に対するマーケティングを説いた一冊。 目次 - X-Knowledge HOME PAGEより抜粋 はじめに 買物は会議室で起こっていない ■CHAPTER 1 男女の買物行動 テレビ購入、決意の真相 コラム:売れっ子家電量販店販売員は機械が苦手!?
2008年03月07日03:45 カテゴリ書評/画評/品評Money また株を買いたくなった - 書評 - 企業ファイナンス入門講座 著者のちょーさんより献本御礼。 実況LIVE 企業ファイナンス入門講座 保田隆明 やべえ、血が騒ぐ。 投資家としての血が。起業家としての血が。 本書「企業ファイナンス入門講座」は、「M&A時代 企業価値のホントの考え方」の著者がアカデミーヒルズで行ったセミナーのやりとりを元に、企業価値を改めてホントに考え直した一冊。前著とかなり重なるが、本書の方がより実践的かつ面白い。前著は頭に入るが、本書はそれに留まらず体に訴えてくる。 目次 - ちょーちょーちょーいい感じ:『企業ファイナンス入門講座』:本日とうとう出版より PART1: Life of a Company 『会社の一生』という考え方 PART2: ベンチャー企業時代の資金調達と想定株価のつけ方 PART
2008年03月07日00:00 カテゴリ書評/画評/品評Lightweight Languages get($one) if $you =~ /regexp user/;# 書評 - 入門正規表現 技術評論社書籍編集部池本さんより献本御礼。 入門正規表現 岩谷宏 初出2008.03.05;販売開始まで掲載 404 Blog Not Found:書評x3 - SQL本三大対決言語内言語としてこれだけ使われるようになったSQL。そうするともう一つの言語内言語、正規表現が気になる。しかしこちらの方はSQLと違って、現在のところ「フクロウ本」の一人勝ちのように思える。誰か書かない? キタコレ!それも想定の範囲内の出版社と、想定の範囲外の著者の組み合わせで。 本書「入門正規表現」は、タイトルどおりの本。正規表現に関しては今まで「フクロウ本」こと「詳細 正規表現」がほぼ唯一の選択肢だったが、原著も訳
ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く! 作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/03/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 29人 クリック: 4,720回この商品を含むブログ (425件) を見る『ウェブ時代の5つの定理』を読んだので書評を。 まず、読みながら思い浮かんだのが、「自分の器を大きくするには、自分より器の大きい人と接するしかない」という、最近自分が考えていること。 「器」なんてものは、生まれもった才能、育った環境の違いという現時点ではいかようにもし難い要素によってある程度形作られてしまっているのは事実。ただ「自分より器の大きい人と接する機会を意識的に作る」という努力を通して、後天的にも「器」を大きくすることができるというのが私の考え。 なので、一緒に仕事をする人を選んだり、仕事以外で人と会う機会をつくったりして、直接的に自分より「器
2008年03月05日12:00 カテゴリ書評/画評/品評Art How2SellHow2Books +書評+ 仕事が10倍速くなる!スピード手帳術 日本実業出版社の滝様より献本御礼。 仕事が10倍速くなる! スピード手帳術 松本幸夫 良本、ではあるが売り方が平凡すぎる。 本entryでは、その内容だけではなく売り方まで含めて考察していきたい。 本書、「仕事が10倍速くなる!スピード手帳術」は、文字通り、手帳術をマスターして仕事の効率(願わくば)10倍にアップしようという本。 目次 - 日本実業出版社ではなくてAmazonより はじめに「手帳を使いこなせば誰でも仕事が10倍速くなる!」 第1章 仕事効率を劇的に高める「スピード手帳術」の基本 第2章 やりたい仕事に集中できる「スケジューリング」の極意 第3章 大量の仕事も確実にさばく「ToDoリスト」の使い方 第4章 短時間にアイデアを量産
⇒ノイズキャンセリングヘッドホンを使うと、集中できる場所を飛躍的に増やすことができる ■環境ハック⇒自分を「知らない場所」に放り込むと、情報収集しているときにでる脳波、「シータ波」が発生する ⇒自習室を借りて勉強すると、周りが真剣に勉強しているため、ミラーニューロンが働くかのごとく、自分も無意識のうちに、真剣に勉強しているかのような反応をし始める ⇒香りで集中力をコントロールする(勉強モード・・・柑橘系、ゆっくり眠りたい・・・ラベンダー) (これはアマゾンで見つけてきたもので、小山さん推薦のものではないです) ⇒集中力を高めるためには、部屋は暗くして、手元は明るくする ■時間ハック⇒時間というリソースが不足しがちな社会人は、「長時間、勉強できない」とネガティブに捉えるのではなく、むしろ「長時間、勉強してはいけない」とポジティブに捉えなおす ⇒社会人の場合、合格不合格を左右する要素の大部分は
2008年03月04日11:15 カテゴリ書評/画評/品評Love 過去の恥こそ誇り - 書評 - 勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド 実は手元にあるのは「旧インディ」の方のみなのだけど.... 勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド 勝間和代 私的なことがらを記録しよう!!: 新インディ 再読の感想顔から火が出るくらい恥ずかしい ともなれば、紹介せざるを得ない。 本書「勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド」は、勝間和代のデビュー作「インディで行こう!」を増補し新書化したもの。本書は「栴檀は双葉より芳し」の双葉である。 インディでいこう! 目次 - Discover: ショッピングカートより 第1章 インディになりませんか? 第2章 それでもウェンディのほうがいいですか? 第3章 じょうぶな心で土台を作ろう 第4章 学び続ける力でスキルを磨こう 第5章
2008年03月04日02:15 カテゴリ書評/画評/品評Art それでも私は屠り続ける +書評+ いのちの食べかた 以下のentryを読んで思い出したのが本書。 いのちの食べかた 森達也 「選択の自由」が排除する人々 - 過ぎ去ろうとしない過去もちろん、安楽死と解雇は違う。子飼弾[原文ママ]は、雇用の流動性とベーシック・インカムの必要性を説く。同様の未来像がhttp://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20080302/1204438491で示されている。あなたが解雇されたとしても、あなたが競争に参加する意欲があり、自分の能力を磨いて「生産性の高い」人間になる限り、また仕事に復帰できる。そのような社会が望ましいと。 ここまではとにかくとして、 では、競争に参加する意欲の無い、あるいは意欲があっても「生産性が低い」人間はどうなるか?確かにベーシック・インカムが
2008年03月01日00:00 カテゴリ書評/画評/品評Love 志願兵による戦訓 - 書評 - 独身女性の性交哲学 改めて確認した。 独身女性の性交哲学 山口みずか 体で勝ち取った言葉の強さを。 長くて良質の書評はすでに「独身女性の性交哲学 / 山口みずか」として上がっているのでこちらは短めに。 本書「独身女性の性交哲学」は、もの言う売春婦、山口みずかが、愛とセックスの哲学。Philosophy、すなわち「愛知」よりもまさに「哲(さと)り学ぶ」という感じだ。 まえがき 第1章 「恋愛」ってなに? 第2章 「愛」ってなに? 第3章 「セックス」ってなに? 第4章 「欲望」ってなに? 第5章 「幸せ」ってなに? あとがき 引用文献一覧 体で勝ち取った言葉の強さは、風俗嬢ライターには共通して感じる。しかし本書の特徴は、多くの風俗嬢ライターの文章から伝わってくる痛さがほとんどない。同じ(元)売
言い尽くそうとすればキリがない。 だが一言で言うなら、次のようなものになる。 「これはいい伊集院ラジオですね。」 そしてもう一言添えるならこうなる。 「『自分探しが止まらない』は買ってはいけない」 長文を読む気がない向きには上の一言二言がこの記事の趣旨であるので、以下はその補足だと飛ばしてもらって結構。 献本していただいたことに対するありがとうございますというお礼もそこそこに、以下はそれへの偽りない感想を書こうと思う。 正直なところ、この本を前にして悩んでしまった。 これでは何も書かれていないに等しいのではないのか、と。 そして、同時にぽつぽつでてくるネット上の書評をみて、それらが例外なく賞賛の意を示しているのを見て、どうしようもない違和感にかられてしまった。 頭を抱えて、もう書くのをやめようかとも思い、またほっといても、後藤和智方面から八つ裂き光輪*1が飛んでくるだろうと思っていたのだが
http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20080226/1204009224 ここで言及されている「ダウン症の人の描いた絵」がどんなものなのかわからないし、坂本龍一氏が具体的にどのように称賛したのかもわからない。そもそも「障害者アート」という言葉も知らなかった。「アウトサイダー・アート」なら知っていたけど。さて、坂本龍一といえば、以前浅田彰氏とともに大江光を絶対に認めないと発言して、大江健三郎をどうして世間は僕たち父子をいじめるの?と被害妄想に陥らせた人ではなかったか。 世間に「アウトサイダー・アート」として紹介されている作品は(管見の限りでは)文句なく面白い。例えば、服部正『アウトサイダー・アート』(光文社新書)という本の図版を見てみなよ。さて、しばしば誤解されているが、「アウトサイダー・アート」というのは「障害者」のアートを意味するのではない。服部さんの言葉を引けば
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