街が壊滅し、ほかの地域に集団避難した人、避難所に残る人、自宅に戻った人。さまざまな形で被災者が日々の暮らしと格闘している。1カ月で被災者の生活はどう変わったのか。 「電気もついて部屋も暖かい。お風呂に入れたり、洗濯できたりするのが何よりです」。津波で壊滅的被害を受けた宮城県南三陸町から内陸部の同県栗原市の宿泊施設に4月初め、集団避難した木下美紀さん(37)は生活の変わりように驚いた。町は電気や水道が復旧していない。 朝昼夕の食事は栄養士が管理したもの。「ホウレンソウのお浸しやデザートなんかも出るんですよ」。保健師が「体調はどうですか」と毎朝、同じ部屋で暮らす義父母らの体調を尋ねに来る。「あまりに手厚くて申し訳ないぐらい」 小学生の子供の転入問題も心配したが、この施設に移ってからできた友達と大喜びで跳び回る姿に「子供は環境に慣れるのが早い。転入先でもなじんでくれるでしょう」。 一方、各地の避