【エルサレム花岡洋二】パレスチナ自治政府のアッバス議長は23日(日本時間24日未明)、国家として国連に加盟を申請し、外交上の「賭け」に出る。イスラエルとの和平交渉が遅々として進まない中、加盟申請は独立国家樹立の悲願を国際社会にアピールする「切り札」だ。非暴力で独裁体制を打倒した「アラブの春」に触発された側面もある。停滞状況を打破できない仲介役の米国への不信も増大しており、今後、不満の蓄積が爆発する恐れもある。 パレスチナ自治政府のシャース議長顧問は申請の理由として「イスラエルとの和平プロセスの失敗」を挙げる。交渉の仲介役である米国を「中立でない」と非難、独立国家樹立には国連外交を通じて支持を広げる以外にないとの認識を示した。国際社会の認知を後ろ盾にイスラエルや米国に圧力をかけ、和平交渉を有利な立場で仕切り直したいとの思惑だ。 パレスチナの狙いは二つある。まず、第3次中東戦争(67年)以前の