【ジュネーブ伊藤智永】アナン国連・アラブ連盟合同特使(前国連事務総長)のファウジ報道官は5日、ジュネーブの国連欧州本部で記者会見し、シリアの反体制派への武力弾圧を続けるアサド政権が「アナン氏の調停案に基づいて、3地域(ザバダニ、イドリブ、ダルアー)で部隊の撤退を開始した」と通告してきたことを明らかにした。 停戦合意を見越して同日、国連監視団の先遣隊約10人が、首都ダマスカスに到着。平和維持活動(PKO)に携わる200〜250人規模の非武装停戦監視団の派遣を想定して、シリア政府側と協議を行う見通しだ。アナン氏は、シリア政府と関係が深い隣国イランを11日に訪れる予定という。 調停案では、10日までに人口密集地からの部隊撤退を終えるとしており、報道官は「それから48時間以内の12日までに、政府部隊と反政府勢力の交戦が停止されると期待している」と述べた。