文具大手のコクヨが2012年9月、中国・上海のノート工場を稼働させた。巨大市場の中国で初の工場で、当然主力ノートの「Campus(キャンパス)」の生産に専念していると思いきや、意外にも現地のコピー商品「Gambol(ギャンボル)」も生産しているという。明らかな“パクリ”であるギャンボルは、実は中国で最も有名なノートブランドで、コクヨは「当面併存」の戦略を描く。その両面作戦は、日中関係の悪化に伴う日本製品の不買運動から、コクヨの中国事業を守るという思わぬ効果をもたらした。ノートで世界に挑む 日本ではキャンパスブランドで圧倒的な存在感を持つコクヨだが、海外展開はほとんど進んでいないのが実情。しかし、少子化などで国内市場の拡大が見込めないなか、海外戦略に舵を切るのは、文具メーカーも例外ではない。 同じ文具でも、パイロット・コーポレーションや三菱鉛筆などは早くから海外販売に取り組み、すでに海外売上