我が国の上場企業において、女性取締役の登用が増加している。TOPIX100における女性取締役選任企業は47.0%(2014年は39.0%、2013年は34.0%)、日経225では36.0%(同24.9%、同20.0%)と大幅に増加している(※1)。また、取締役会に おける女性取締役の比率は、2015年はTOPIX 100で4.9%(2014年は3.9%)、日経225で4.0%(同2.7%)と前年と比較して増加している(※2)。取締役会の女性比率が19%を超える欧米の比率(※3)と比べると非常に低い数値ではあるが、我が国における女性取締役登用の増加は、企業統治の強化を目的としたコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)が2015年に策定されたことが要因のひとつと考えられる。具体的には、CGコードの原則4-11において、「取締役会は、その役割・責務を実効的に果たすための知識・経験・能力