途中で国会の参考人質疑の話が入ったりしたため、読者の方々も私自身も、全体のストーリーがよく分からなくなってしまった。ここで、もう一度整理しておこう。 このシリーズでは、最初に「経済成長」を取り上げている。「経済成長」を取り上げたのは、このところ「経済成長」が、次のような三つの側面で注目されているからだ。 それは、(1)「これ以上の成長は必要ないのではないか」という「脱成長論」が強まっていること、(2)財政再建との関係でも経済成長が論じられていること、(3)人口減少との関係でも、「人口減で内需が減るから、輸出でカバーするしかない」といった議論が出るなど、成長との関係が話題になっていること、という三つである。ここまでの連載で、このうちの(1)と(2)を論じたので、今回から(3)の人口と経済成長について考えてみたい。 GDP規模と一人当たりGDP 人口と経済、人口と経済成長の関係を議論するとき、