『逢沢りく』(ほしよりこ)ロングレビュー! “カンペキな家庭”に生まれた美少女が“生きること”に向きあう ほしよりこロングレビュー逢沢りく 2014/12/17 『逢沢りく』上巻 ほしよりこ 文藝春秋 \1,000+税 (2014年10月26日発売) 鉛筆による独特なタッチで猫の家政婦の活躍を描く、というファンタジックにして生活感あふれる『きょうの猫村さん』で大人気を博したほしよりこ。『逢沢りく』は、その作者による新作長編だ。 主人公は14歳の美少女・逢沢りく。彼女は感情と関係なく必要と思えば涙を流すことができる。美しいりくが泣く姿は人の心を動かすが、彼女自身の心はいつも冷めていた……。 作者の特徴であるやわらかい描線で描かれた本作は、これがある種の寓話だと思わせる。だが同時に、甘いだけのおとぎ話にならず鋭い現代性も含んでいるのが特徴だ。 特にそれを感じさせるのが、りくの両親の描写だ。りく
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