論考 米国政治 アメリカ大統領選挙UPDATE 3:トランプ旋風が覚醒させる米国民の同盟不信 May 16, 2016 アメリカ政治 外交 飯塚恵子 読売新聞編集局国際部長 米大統領選は5月3日、不動産王ドナルド・トランプ氏(69)がついに共和党指名候補の座を確定させた。2位のテッド・クルーズ上院議員(45)、3位のジョン・ケーシック・オハイオ州知事(63)が相次いで撤退を表明し、トランプ氏本人も意表を突かれるあっけなさで決まってしまった。 明けて4日から、トランプ氏はその独自路線の主張を一段とエスカレートさせている。キーワードは「米国第一(America First)」。米国を1番にするためなら、それ以外(=外国)は2番以下。対外関係を傷めても米国の国益やビジネスを最優先させる、という孤立主義につながる発想だ。 トランプ発言の中で、同盟関係の話はかなりわかりやすい。その肝は、「安全保障」