頑張れという励ましは、時に脅迫のようにも聞こえる。上のほうから、地方創生だの一億総活躍社会だのと言われるのは息苦しい。そもそも何のため、誰のための頑張りであり経済成長なのか。 競争社会から一歩、身を退きたい。多様な生き方を認めるなら、経済理論もいくつかあっていいはずだ。 半市場経済というのは聞きなれない言葉だが、字面から想像されるように、資本主義経済を否定はしないものの、金だけではない交流や助け合いによる生活のしやすさを確保する社会のことだ。 高層ビルやタンカーの建造、自動車や家電の大量生産、効率的流通販売には大資本が必要であり、その健全な発展には市場経済が向いている。新幹線や飛行機の運行・運航も同様。だが日常の食料の獲得やちょっとした修繕には、必ずしも通貨を介在させる必要はない。 田舎暮らしは金がかからないといわれるが、それは隣近所の助け合いで、ある程度の生活基盤が支えられているからだ。