先日以来、ある企業の依頼で若手社員に向けて「独学の技術」の講座をやっています。前回のお題は「経済学」だったのですが、文字起こしが上がってきたので。 ========================= 経済学を学ぶ意味合いについて、世の中一般でよく言われるのは「社会人としての常識だから」とか「世の中の仕組みが理解できるから」といったことなのですが、僕自身は、そういった「教養としての経済学の知識」について、その有用性を否定はしないものの、副次的なものでしかないと感じています。 ことビジネスパーソンが「知的戦闘能力を上げる」という目的に照らして、経済学を学ぶことの意味合いを考えてみれば、そこには大きく二つのポイントがあります。 一つは、「経済学」が研究対象とする「経済」や「市場」が、ビジネスというゲームの基本ルールを規定しているということです。ビジネスには当然ながら競争という側面があるわけですが