『クイーン』(06)という映画でブレア元首相の役を演じたマイケル・シーンが、英国の国家医療制度NHSの解体と民営化に反対するマーチに参加して行ったスピーチが話題になっている。 「我々は自分が信じることのために立ち上がらなければならない。だが、何よりもまず先に、何かを信じろ」 マイケル・シーンは、NHSの父と呼ばれる政治家アナイリン・べヴァンの生涯について語りながら、現代の政治家たちにそう呼びかけた。 英国では2カ月後に総選挙が行われる。右翼政党UKIPが台頭していることから、選挙の争点として移民問題が早くからクローズアップされているが、その陰に隠れてしまっている一大争点として、国民の健康と命を預かるNHSをこれからどうするのかという問題がある。 NHSは無料の国家医療制度であり、1945年に発足した労働党政権が成し遂げた最大の改革だ。戦後の英国人たちは、チャーチル政権下で格差が広がり、貧困
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