社会・一般 資本主義の行き詰まりと格差の拡大 資本主義は、資本の運動が社会のあらゆる基本原理となり、利潤や余剰価値を生む体制である。20世紀を通して、資本主義は、我々を豊かにしてきたと言えるだろう。 しかし、現在、資本主義は行き詰まり、格差の拡大から人々の不満が鬱積している。 ここでは、その理由について考えたい。 フロンティアの喪失 資本が利潤や余剰価値を生むためには、基本的には生産の拡大が必要である。しかし、生産の拡大を支えるには、新たな市場、安くて豊富な労働力、安くて豊富な資源といったフロンティアが必要である。 しかし、そういったフロンティアは急速に失われつつある。たとえば、グローバル化により先進国は、東南アジア諸国・ブラジル、東欧への生産拠点移動による生産性向上の恩恵を得てきた。 しかし新興国の賃金が上昇してくると、その旨みは減ってくる。競争に打ち勝つために、より安い人件費を