複数の作業を同時にこなすと、仕事の効率は上がるのか――賛否両論のこの問題を、ブレグマンが複数の研究と自身の経験をふまえて論じる。マルチタスクとは、実は作業を瞬時に切り替えているだけの「スイッチタスク」であるという。 私が加わっているNPOの実行委員会と、電話会議をしている最中のこと。私は別のクライアントにメールを送ろうとしていた。 わかっている。懲りない人だなあ、と読者の皆さんは思われるのだろう。先週、私は「運転中の携帯電話は危険」という記事を書いたばかりだ(未訳:英文記事はこちら)。でも今回は車の中ではなく、安全なオフィスにいるのだ。なにか問題があるだろうか。 というわけで、私はクライアントにメールを送った。しかしファイルの添付を忘れたことに気づいて、もう1通送った。さらに3度目のメールで、添付ファイルが相手の求めていた内容とは別のものである理由を説明した。そして電話会議へと意識を戻した