国際収支統計(財務省、日本銀行)によれば、2013年の経常収支黒字は3.3兆円(速報値)と、比較可能な統計が取得できる1985年以降で最小の黒字幅となった。足下での黒字幅の縮小は、円安に伴う輸入価格の上昇、消費増税前の駆け込み需要などを受けた輸入数量の増加、原発停止に伴うエネルギー輸入額の増加などである。しかしこうした要因を除いて考えたとしても、高齢化に伴うマクロの貯蓄率低下に伴い経常収支はトレンドとして黒字縮小が続いており、今後もこのトレンドが継続していく中でいずれ経常収支が赤字に転じていく可能性があるとの指摘もなされている。 経常収支の赤字化が将来的に予想されつつある中で「経常収支が赤字化したら財政破綻」という非常に刺激的なシナリオが一部で提示されるようにもなってきた。このシナリオについて、通説をまとめれば下記のようになろう。すなわち、日本国債は強力なホームバイアスを背景として国内貯蓄
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