何度でも繰り返しますが、知的生活は学問ばかりする生活でも、頭のよさを競う生活でもありません。むしろそれは、自分のなかにある個性、他の人とは違った興味を意識して生活することです。 私が渡部昇一氏の「知的生活の方法 」を気に入った理由に、決して「本読むの最高!」「本を読んで頭でっかちになろうぜ!」と読者に迫るのではなく、自分の個性を楽しむようになれば自然にさまざまなことを学びたくなるはず、という優しいまなざしがあったからです。 そして氏は、そうした生活を守るためのノウハウについても本で語っています。それが先週の回で挙げた二つ目の「知的生活のための時間・場所・金銭的な自由をいかに確保するか?」というテーマです。 今も、昔も、これは戦争なのです。### 時間、場所、金銭の自由 ヴァージニア・ウルフは「自分自身の部屋」で女性が作家になるには「自分自身の部屋とお金が必要」と切り出し、女性は現実の「部屋