団塊世代と呼ばれる1947~49年生まれは突出して人口が多いため、彼らの人口移動は、その都度大きな社会現象を生み出してきた。では、彼らは年齢とともに、どう地方圏と3大都市圏の間を移動してきたのだろうか。以下、国勢調査を基に確認してみたい(注)。 (注) 本稿では、国勢調査の年齢5歳階級別人口に従い、「1946~50年生まれ」を団塊世代として取り扱う。また、3大都市圏は、埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、愛知、三重、京都、大阪、兵庫、奈良の11都府県、地方圏はその他36道県とする。 1960年、団塊世代はまだ年少期(10~14歳)にあった。彼らの人口は11百万人と総人口の12%を数え、すでに日本の人口のなかで最も人数の多い年齢層だった。このうち3分の2にあたる7.2百万人が、この時期、地方圏に居住していた。 その後10年間に(1961~1970年)、団塊世代は大規模な人口移動を起こす。10歳代