米国の大統領選挙でトランプ氏やサンダース氏が旋風を巻き起こしている一つの要因は、経済政策の敗北にある。従来型の経済政策は有権者の期待に応えられず、むしろ既成の政治に対する不満の温床となっている。 政策ではトランプ氏を倒せない 「幸いなことに、有権者はトランプ氏の政策を支持している訳ではない。彼のキャラクターに熱狂しているだけだ」 トランプ旋風について、米国の(いわゆる)知識層に属する人に聞くと、このような答えが返ってくることがある。「イスラム教徒の入国禁止」「メキシコ国境への防壁建築」といった極端な政策が必ずしも有権者に支持されているわけではない点を指摘して、こちらを安心させたい意図が感じられる。 しかしこうした回答には、かえって不安をかきたてられる面がある。「政策ではトランプ氏を倒すことはできない」と認めているように感じられるからだ。政策通であることを強みにしようとしたジェブ・ブッシュ氏