「アジア諸国との関係については、わが国が地理的に同じ地域に属するというだけではなく、人種的、文化的親近感につながる強い心理的紐帯があるのであつて、前述の『アジアの一員』との原則もここに出ずるものでありわが国としてこれら諸国との善隣友好関係を進めることが当面の第一の重要課題である」(外務省「総説 二 わが国外交の基調」『昭和32年版 わが外交の近況』、1957年) 冒頭の文章は日本の『外交青書』第1号に掲げられている日本外交の基本線である。この文章の前には「国際連合中心」、「自由主義諸国との協調」および「アジアの一員としての立場の堅持」の三大原則が記されており、この日本外交の三大原則は今日まで日本の国是となっている。 これらの三大原則がありながら、なぜ国会議員たちや知事、地方議員たちのなかには人種差別的な誹謗中傷発言をするものがあとを絶たないのか。ヘイトスピーチは各先進国の基準からすればレイ
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