沖縄・尖閣諸島で中国公船が領海侵入を繰り返す中、領海や排他的経済水域(EEZ)の基点となる離島を守る動きが加速している。 日本の最南端・沖ノ鳥島(東京都小笠原村)では、海洋資源開発などを目指して国土交通省が港湾施設の建設工事を開始。好漁場が広がる長崎県・五島列島沖の離島では、国際的な誤解を招きかねないとして「岩」の名称変更を求める声が地元で強まっている。 ◆周囲約11キロ 東京都心から南に約1700キロ。沖ノ鳥島は太平洋上に浮かぶ楕円(だえん)形の環礁だ。国交省の計画では西側に長さ約160メートルの桟橋型式の岸壁を作り、岸壁と島内を結ぶ臨港道路も敷く。 工事が始まったのは今年4月。岸壁に揚げた船の積み荷を仮置きする「荷さばき場」の建設から始めたが、台風や季節風による荒天を避けるため、作業期間は基本的に春から夏までに限られている。作業員約100人は、船に寝泊まりしながらの作業を続けており、施