成功している人が「私はすごいんだ。みんな私のことが好きだ」というような自己肯定を呪文のように唱えていることがあります。しかし、そんなやり方は陳腐で全然役に立たないという人もいます。自己肯定は自尊心を高めるためのものですが、行き過ぎた自己肯定は、本心との衝突を引き起こします。カナダのウォータールー大学の研究で、「私はみんなに愛される人間だ」というような自己肯定を繰り返し唱えることで、自尊心が芽生える被験者もいましたが、自尊心がかなり低い被験者の場合は、自己肯定を繰り返し唱えることで、さらに状況が悪化することが分かりました。これは、自己認識と自己肯定の内容がかけ離れすぎているあまり、ストレスを引き起こし、さらに気分を落ち込ませている、と結論づけられました。 「私は自分自身を完全に受け入れている」というような、根拠のないポジティブな言葉で、自分を励まして肯定させようとしている自己啓発系の本があり