奈良県高市郡高取町にある壷阪寺は、703年に創建された西国三十三所第六番札所。室町時代に創建された礼堂や三重塔などのほか、特に眼病への霊験で知られる名刹だ。境内は山の斜面伝いにあり、本堂を後に石段を上がっていくと、インドから贈られたという高さ約20mの大観音像にたどり着き、間近から拝むことができる。1983年、この大観音像の足元に2台の照明が取り付けられ、夜でもその姿を照らすようになった(図1)。 照明の電源には、「観音様を照らすには自然のエネルギーを使いたい」という当時の住職の願いから、太陽光発電システムを使うことになった(図2)。「先代となる当時の住職がシャープ創業者の早川徳次さんと親交があった縁で、シャープ製の太陽光パネルを設置することになった」(壷阪寺の喜多昭真執事)。35Wの太陽光パネル40枚で日中、発電した電力を鉛蓄電池に貯めておき、日が落ちると自動的に観音像を照らすという自立
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