「価格はゼロ。究極のアフォーダブル・プライシング(患者が購入しやすい価格)だ」。エーザイの内藤晴夫社長は3月1日に開催した説明会でこう宣言した。 薬の値段がタダと聞けば患者にとってこんな良い話もないが、もちろんある条件の下のみの話だ。熱帯病に苦しんでいるが、それに対して十分な対価を払う経済的余力がない国のみが無償提供を受けられる。 ゲイツ財団などと共同宣言 エーザイがこの取り組みを発表したのは1月末のこと。ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団、世界保健機構(WHO)、米国および英国政府、世界銀行などと共に、2020年までに「顧みられない10の熱帯病(NTD)」の制圧に向けて共闘していくという共同声明「ロンドン宣言」を発表した。エーザイはリンパ系フィラリア症制圧のため、WHOにDEC(ジエチルカルバマジン)22億錠を無償で提供する。エーザイの費用負担は30億円を超える。 ロンドン宣言には米ファ
『週刊ダイヤモンド』特別レポート ダイヤモンド編集部による取材レポートと編集部厳選の特別寄稿を掲載。『週刊ダイヤモンド』と連動した様々なテーマで、経済・世相の「いま」を掘り下げていきます。 バックナンバー一覧 がんの薬物治療が飛躍的に進歩した契機は10年前、がん細胞の増殖や転移にかかわる部分だけをピンポイントで攻撃する「分子標的薬」と呼ばれる薬の登場にあった。以来、製薬産業の戦略はどう変化しているのか、薬物治療の革新はさらに続くのか。がん治療薬市場で世界2位(売上高ベース)に君臨する製薬大手ノバルティス(スイス)のがん事業部門プレジデント、アーヴェ・オプノー氏に聞いた。(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本猛嗣、臼井真粧美) ――ノバルティスは2001年に分子標的薬の先駆けである慢性骨髄性白血病(CML)治療薬「グリベック」を国内で発売しました。CMLの進行を劇的に抑えるグリベックは消化管間質
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