記録的な海洋温暖化、海流の変化、沿岸地域で続く開発の影響で、地球は変容しつつある。これらすべてが関連して起きる気候パターンの変化は、世界の海産物供給を大きく揺るがし、2050年までに年間100億ドル(約1兆4600億円)の打撃を漁業に与える恐れがある。 米紙ワシントン・ポストによると、海水温はこの1年間上昇を続けており、そのペースは海洋温暖化の数十年平均を上回る。今年6月の世界の海水温は1982~2011年の平均より約1度高く、世界でも特によく食べられている魚介類の生息地に大打撃を与えた。 米紙ボストン・グローブによれば、ロブスター、青魚、カニ、カレイ、ムール貝が主要な輸出品となっている米北東部メーン湾では、1980年以降、世界の海の平均水温の3倍の速さで海水の温暖化が進行。沿岸部に生息する天然ムール貝の個体数は60%減少した。 メーン湾の温暖化は、メーン州のロブスター産業をも脅かしている