生きたサメからヒレだけを切り取り、残りは海に捨てるフカヒレ漁「フィニング」は、持続不可能な漁業の中でも「札付き」の代表格といえる。残酷なだけでなく、統計的には魚体の約95%が使われないため無駄も多い。無数のドキュメンタリー番組がこの漁法を掘り下げ、レポーターが潜入取材で問題点を紹介し、反対運動には何十万筆もの署名が集まった。各国政府もこれに呼応し、フィニングを禁止した。 表面的には、こうした取り組みは成功しているように見える。しかし、不穏なパラドックスが立ちはだかっている。フィニング禁止が進んだことで、意図せずして全体的なサメの死亡率が増加している可能性があるのだ。 科学誌サイエンスに掲載された論文は、2012~19年に世界150カ国の国内水域と公海で漁獲されたサメに関するデータを分析し、フィニング禁止の効果に疑問を呈している。この研究の共著者で、米自然保護団体ザ・ネイチャー・コンサーバン
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