幕末から明治期に活躍した蒔絵師・柴田是真〔ぜしん〕。その洒脱なデザインと卓越した技巧は欧米での評価も高い。現在、三井記念美術館で開催中の展覧会では、初めて里帰りするエドソンコレクションを中心に約100点の是真作品が公開されている。監修者の板橋区立美術館館長・安村敏信氏に、是真の魅力と展覧会の見どころについてうかがった。 ――柴田是真の芸術は日本よりも欧米で高く評価され、多くの作品が海外に所蔵されているそうですね。日本であまり知られていないのはなぜですか? 安村氏:1つは、江戸時代の美術は時代が新しすぎて評価が低かったということ。日本の美術といえば桃山時代までという考えが30~40年前まであったんです。特に、幕末から明治にかけて活躍した芸術家は最も評価されていない。河鍋暁斎〔かわなべきょうさい〕、絵金〔えきん〕、菊池容斎〔ようさい〕らも同時代の優れた画家ですが、時代が江戸と明治にまたがり、江
![欧米で脚光浴びる 隠れ絵師・是真](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/975c6cf0971ccda300f62d0d5b2885f68469d779/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwedge.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F7%2F2%2F1024%2Fimg_72fbed98aaf460a8da3e625dadbc946c37192.jpg)