(英エコノミスト誌 2012年1月28日号) 欧州は成長によって債務危機から脱け出す戦略探しに腐心している。 最近、ブリュッセルでよく耳にする言葉は「成長」だ。恐らく、欧州の大部分に忍び寄る景気後退が、人々の意識を集中させているのだろう。あるいは、緊縮財政が長年続くという見通しが各国の不和のもとになっていることに、首脳陣も気付いたのかもしれない。 国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、債務危機を解決し、成長を回復しなければ、欧州と世界は1930年代に逆戻りする恐れがあると警告している。 1月30日に開催されるサミットで、欧州連合(EU)の首脳陣は生産の拡大推進や若者の失業対策、中小企業の支援など、山積する問題について厳粛な面持ちで話し合うことになる。欧州投資銀行(EIB)を通じて、使われていないEUの資金を再利用するなどして、雇用創出に資金を回すことさえあり得る。 サ