「自分なんて生まれてこなければよかった」……一度は考えたことがある人は多いのではないでしょうか。長く続くコロナ禍において、これまで推奨されてきた「出勤して働くこと」「人と交流すること」などがどんどん制限されていくなか、精神科医の香山リカさんは臨床の現場で「生まれてきた意味」を問われたり、「死んでしまいたい」気持ちを語られたりすることが増えてきたといいます。 近年話題の「反出生主義」と、何か関係があるのでは? これを深掘りすることで、何か見えてくるものがあるのでは? 反出生主義を扱った書籍『生まれてこないほうが良かったのか?』の著者である哲学者・森岡正博さんと、「生と死」について、「自分と他者」について、「私」について、とことん語り合います。 反出生主義とは何か 森岡正博(以下「森岡」) ここ1~2年、「反出生主義」というものがメディアなどでも取り上げられたりと、注目を集めています。では、そ
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