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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (52)

  • つきはぎだらけの脳と心 - 池田信夫 blog

    脳が驚異的に複雑で巧妙にできていることは誰でも知っているが、それは脳の性能が高いことを必ずしも意味しない。むしろ脳は進化の過程で行き当たりばったりに複雑化し、古い脳の上に新しい脳がつぎ足されているため、機能が重複して効率が悪いというのが書のテーマだ。進化の初期の段階でつくられたまま、ほとんど使われていない古い機能も常に「オン」になっているので、わずか1.3kgの器官を維持するために人間の摂取するエネルギーの2割が使われている。素子(ニューロン)の性能は半導体の数万分の一以下しかなく、処理速度も正確さもはるかに劣る。 その代わり脳は、100億のニューロンと500兆のシナプスからなる恐るべき超並列コンピュータで、この並列処理によって素子の低性能を補っている。たとえば眼球の機能は不完全なので、情報の入力は不安定だ。次の図はサッカード(視点運動)とよばれる現象の実験で、左側の写真を4分間見ると

    banraidou
    banraidou 2009/09/23
    視細胞の説明もせずにいきなりサッケードの話を持ち出すのはちょっと例としてわかりにくかろうと思った。
  • プログラムされた父殺し - 池田信夫 blog

    おとといの短い記事が、予想外の波紋を呼んでいる。コメントも50以上ついているが、その多くが学生運動がらみであるところがおもしろい。今の若者にとっては神話的な時代なのかもしれないが、そのころを知る者として少し書いておこう。 最近もギリシャで反政府暴動が起きているが、こういうのは基的に学生がエリートとみなされる後進国の現象だ。日でも60年代の全共闘運動まではその傾向があり、1969年に東大に機動隊が導入されたとき、全共闘が「入学おめでとう」という看板を掲げたのは有名なエピソードだ。今はよくも悪くもそんなエリート意識はないので、「われわれが社会を指導する」という運動は不可能だ。 しかし若者が親の世代を否定する父殺し(patricide)の衝動をもつことは人類学で知られており、生物学的にも合理的だ。生物は生まれた以上、死ぬのが当たり前だと思われているが、実はバクテリアは死なない。個体に一定

  • 利他的な遺伝子 - 池田信夫 blog

    当ブログには、多いときは1日20ぐらいリンクが張られるので、ほとんど相手にしていないのだが、同じパターンのナンセンスな話が繰り返されることがあるので、たまには反論しておこう。NATROMなる人物の日記によれば、私の記事は「トンデモ」なのだそうである。彼はこう批判する:利他的な行動は利己的な遺伝子によって説明できるってことを「利己的な遺伝子」でドーキンスは主張した。そもそも「個体を犠牲にして種を守る」って何?いまどき種淘汰か。母親は自分と遺伝子を共有する個体を守っているのであって、種や個体群を守ろうとしているのではない。これだけ読んでも、彼が自称する「生物学の専門家」ではなく、アマチュアにすぎないことは一目瞭然だ。まず彼は、遺伝子を共有する個体を守る行動を説明したのが「ドーキンスの利己的な遺伝子」だと思い込んでいるようだが、これはドーキンスの理論ではなく、ハミルトンの非常に有名な論文(196

  • 1ドル=168円の怪 - 池田信夫 blog

    急速なドル安で、きょうの為替レートは1ドル=94円だが、洋書業界では20年前のレートが横行している。先日、Amazon.co.jpでVivesの新しいを買おうとしたら7899円もするので、Amazon.comで調べたら46.8ドルだ。1ドル=168円はあまりにもひどいので、海外発注した。 一括検索で比較すると、紀伊国屋でも7582円。最悪なのは楽天の15600円で、定価(65ドル)と比べても1ドル=240円というプラザ合意前のレートだ。公平のためにいうと、brick & mortarの屋もひどい。この前、丸善でうっかりMinskyのを買ったら4129円。定価(24.95ドル)で計算しても1ドル=165円だ。 急速に為替が動いているので、ただちに値下げするのはむずかしいだろうが、為替レートだけで70%以上も利益を取るのは暴利である。円高のメリットが消費者に還元されない背景には、こう

  • ダウンロード違法化についての超初歩的な経済学 - 池田信夫 blog

    著作権法30条を改正して「私的複製」から違法コンテンツを除外する、いわゆるダウンロード違法化が、次の国会に提出される見通しになったようだが、あきらめるのは早い。総選挙では民主党の勢力が増えると予想されているので、参議院で否決すれば葬れる。 これについては以前の記事でも書いたように、侵害による権利者の損失と宣伝効果による利益は、ほぼプラスマイナスゼロだというのが、多くの実証研究の結果だ。Oberholzer-Gee and Strumpf(O-S)論文については、その後も論争が続いているが、この論争で双方ともに前提としているのは、この論文は金銭的利益だけを測定したものだということだ。つまりファイル共有によるレコード会社の損失をC、宣伝によって売り上げが増える効果をBとすると B≒C・・・(1) というのがO-Sの結論だが、消費者は音楽を聞くことで効用を得るので、来の問題はダウンロード

  • 中山信弘氏のフェアユース論 - 池田信夫blog

    きのうのICPFセミナーは、定員100人が満員札止め。個人のセミナーでは初めてだ。それだけ中山氏の発言に重みがあるということだろう。岩倉正和弁護士の話は「ネット法」が中心だったが、中山氏はもっぱらフェアユースの話だった。 来年の通常国会に出る著作権法改正案では、検索エンジンの合法化が出ることは確実らしいが、それを超えてフェアユースを導入するかどうかは微妙のようだ。文化審議会では、まだ審議に入っていないという。これだけ大きな改正を3ヶ月で決めるのは、常識的には無理なので、再来年以降に先送りされる可能性が強い。その理由を質問されて、中山氏ははっきり答えなかったが、事務局の著作権課が消極的らしい。その山下和茂著作権課長は、業界団体の会報に次のように書いている:あたかも権利者団体が「ダビング10」を人質に「身代金」を要求しているかのような下品な記事が全国紙の「経済面」に掲載されるという状況が、こ

  • B-CAS社の罪は「退場」では消えない - 池田信夫 blog

    B-CAS社の浦崎宏社長が、メディアに初めてカミングアウトし、「不要と言われれば退く覚悟はできている」と語った。さすがに危険が身に迫っていることを察知したのだろう。しかしB-CAS社は不要であるばかりはなく、違法なのだ。何の法的根拠もなく民間企業が電機メーカーを「審査」し、外資系メーカーを排除し、PCボードの製造を妨害し、おまけに出荷停止処分までやるのは、明白な独禁法違反である。 それはNHK経済部の記者として経済犯罪を取材した浦崎氏が、一番よく知っているはずだ。だから「B-CASが不要となった際,いつでも会社をたためる」という言葉も出てくるのだろうが、会社をたたむだけで違法行為は帳消しにはならない。これまで3000万台ものデジタルTVに違法なカードを義務づけることによって上げた数百億円の売り上げは、返還すべきだ。そして独禁法違反と判断されれば、課徴金や懲役刑も待っている。 さらに問題

  • アンチコモンズの悲劇 - 池田信夫 blog

    著者は"The Tragedy of the Anticommons"という有名な論文で、「知的財産権」が非生産的な役割を果たすことを指摘した。「コモンズの悲劇」というのは、漁場や山林のような共有地が過剰利用される問題だが、アンチコモンズは逆に共有地が過少利用される悲劇である。たとえばライン川は、神聖ローマ帝国の時代には欧州の主要な交通路だったが、帝国が崩壊すると、沿岸に「泥棒貴族」が出現して各地で領主権を主張し、数百の関所をつくって通行料を徴収したため、ライン川の通行は不可能になり、沿岸の商業も産業も衰退した。 特許や著作権も、このライン川の関所のような存在になりつつある。特に薬品業界では、一つの新薬を市場に出すには、多くの先行特許に使用料を払わなければならない。最近は遺伝子にまで特許が与えられるようになったため、画期的な新薬を開発しても、特許使用料が予想される利益を上回り、発売できな

  • 地デジの非常識 - 池田信夫 blog

    きょうのICPFシンポジウムでは、この業界に長い私にとっても驚くべき話があった。テクニカルな話題なので、関心のない人は無視してください。 ホワイトスペースについてのWerbachのプレゼンテーションは、「問題はデジタルTVではなく、次世代のネットワークのために帯域を開放することだ」という世界の常識だったが、驚いたのはそれを受けたフジテレビの上瀬千春氏(地デジのチャンネルプランのチーフ)の話だ。彼は「アメリカは広い国土に1500しか中継局がないが、日では13000局もあるので、ホワイトスペースなんてほとんどない」という。ホワイトスペースを中継局間の電波の届かない地域のことと誤解しているらしい。 私が「ホワイトスペースというのは未利用の帯域のことで、中継局の数とは関係ない。たとえばここ(九段)ではテレビは最大10チャンネルしか見えないが、テレビ局は40チャンネル占有する。残りの30チャン

  • 「孤児作品」を救済する方法 - 池田信夫 blog

    "Culture First"なる圧力団体にもブログがあることを初めて知った。きのうの記事には今、アメリカで信じられない法案が審議されようとしています。もし可決されれば、多くの創造活動を営むアーティストやクリエーターは壊滅的打撃を受けることになります。と、この問題を「最近になるまで知らなかった」在留邦人のブログの間違いだらけの記事が孫引きされている。これは彼らが無知なだけで、孤児作品(orphan works)の問題はもう10年越しで議論されており、日でもアーカイブを再利用するときの最大の障害になっている。川口市にあるNHKアーカイブには、60万以上の番組が所蔵されているが、試写室で見られるのは6000あまり。今年末に始まる予定の「NHKオンデマンド」で見られるのは1000もないだろう。その最大の原因が、この「孤児」だ。 たとえば私がかつて作った「NHKスペシャル」(番組名は伏

  • 椎名和夫氏は著作者なのか - 池田信夫 blog

    私は法律の専門家ではないが、著作権についていろんな会議に引っ張り出されているうちに、門前の小僧ぐらいのことはわかるようになった。この世界に深く足を踏み入れるほど、来のクリエイターの姿が見えなくなり、利権団体ばかり前面に出てくる。中でも大活躍しているのが、先日の文化審議会の私的録音録画小委員会でも大暴れを演じた椎名和夫氏だ。 私は彼の名前をロビイストとして初めて知ったが、ウィキペディアで調べると、一応、昔はギタリストだったらしい。しかしほとんど見るべき音楽活動はしていない。著作権法第14条によれば、著作者とは「著作物の原作品に、その氏名が著作者名として表示されている者」で、音楽でいえば作詞・作曲家である(*)。椎名氏が作曲にクレジットされているのは数曲しかなく、その多くは共作だ。彼のクレジットのほとんどは編曲である。 つまり椎名氏は著作者というより、それにぶら下がる著作隣接権者なのであ

    banraidou
    banraidou 2008/07/17
    タイトルは釣り。
  • 著作権は必要か - 池田信夫 blog

    著作権法を廃止しろ、というのはいささかシャレがきつすぎたようで、まじめなコメントやTBがたくさんきた。かなりこみいった話だから、記事で補足しておこう。 記事の全体を読めばわかるように、私は「音楽ファイルをすべてタダにすべきだ」と言っているわけではない。著作権で守らなくても、情報から利益を上げる方法はいくらでもある、といっているだけだ。たとえば「宅配便」というビジネスモデルには特許がないが、ヤマト運輸は高い利益を上げている。先行者利益や規模の利益や補完的技術などによって複製可能な情報から利益を上げることができる、というのがBoldrin-Levineの主張だ。 たしかにCDがコピーフリーになると、マドンナのような大作のコストを回収することは困難になるだろう。しかし彼女の場合は、ステージまで含めた権利をプロデューサーにすべて売り、1億ドル以上の報酬を得ているので、彼らが作品をどう処分しよう

  • 岸博幸氏の間違いだらけの経済学 - 池田信夫 blog

    今週の週刊ダイヤモンドに、岸博幸氏の「ダビング10で市場縮小の恐れ」という「寄稿論文」が掲載されている。あまりにも間違いが多いので、ダイヤモンドに投稿しようかと思ったが、よく考えたら15万部の週刊ダイヤモンドより毎週35万PVの当ブログのほうが読者が多いので、こっちで反論することにした。少しテクニカルなので、興味のない読者は無視してください。 岸氏の主張は、上の図に要約される。彼によると、市場における財の価値は、価格という指標を通じて伝達される。ところが、デジタル技術の向上とインターネットの普及という環境変化によって、経済学でいうところの「外部経済効果」が働き、コンテンツの価値をゼロに近い水準に引き下げてしまった。この「外部経済効果」(そんな経済学用語はないが)を阻止するためにダビング10などのコピー制御が必要だといいたいらしいが、この文章はナンセンスである。岸氏によれば、青い曲線で決ま

  • 地球と一緒に頭も冷やせ! - 池田信夫 blog

    ロンボルグのの邦訳が出る。あいかわらず邦題が(おそらく訳文も)下品だが、それを我慢して読めば、現在の温暖化騒動のバカさ加減がよくわかるだろう。この種の議論には、少なくとも5段階の疑問がある:「地球が温暖化している」という大前提が疑わしい:ここ18ヶ月連続して、−0.7℃以上という観測史上最大の寒冷化が進行しており、東工大の「理学流動機構」のモデルによれば、これは2000年ごろをピークにして始まった寒冷化の局面の始まりである。 かりに温暖化しているとしても、その主要な原因がCO2かどうかは疑わしい:IPCCの報告書でさえ、「人為的なCO2排出が温暖化の原因である可能性がきわめて高い」と書いているだけで、それが決定的な原因だとは書いていない。人為的な要因があることは明らかだが、自然要因で相殺される可能性もあり、CO2の排出量を削減すれば温暖化が緩和するかどうかもわからない。 かりに人為的

  • 岡本薫氏の間抜けな提案 - 池田信夫 blog

    「読んではいけない」ばかり増えるのは困ったものだが、書も画像にリンクを張ってない。著者(フリーライター)が、著作権法をまったく理解しないでインタビュー原稿を並べた、間違いだらけの駄だからである。しかし資料価値はある。特に注目されるのは、天下り大学院として有名な政策大学院大学の岡薫教授のインタビューだ。 彼は文化庁の著作権課長だったころ、「自動公衆送信」など日独自の概念を著作権法に加え、世界でもっとも厳密にインターネット配信を違法化した人物だ。その彼が、「著作権の問題を複雑にしているのは映画会社とテレビ局の政治力だ」と官僚の責任を棚上げにするのはともかく、驚くのは彼が「知的財産権を守る超党派議員連盟」の会合で配布した「オーバービューを欠いた『間抜けな提案』の例」という文書だ。書には10項目のうち5項目しか書いてないが、こんな調子だ:某民放会長:自由に再放送できるよう、既放送番組

  • Free Culture - 池田信夫 blog

    レッシグの新著の訳が出たようだ。それにしても、邦題が"Free Culture"ってどういうことかね。この訳者は、なるべくカタカナやアルファベットを減らすという翻訳の最低限のマナーも知らないようだ。 訳は見ていないが、原著を読んだ印象では、これまでのレッシグの議論のくり返しで、目新しい話はない。彼も認めるように、このの論理の骨格は、リチャード・ストールマンが20年前から主張してきたことである。まあレッシグも「プロパガンダだ」といっていたから、これは政治的なパンフレットと割り切っているのだろう。 現在の著作権保護が過剰だというのは、学問的にはコンセンサスだが、問題はそれに代わる制度があるのかということだ。私との往復書簡でも説明しているように、レッシグはEFFやバークマン・センターの提唱している「コピー税」のようなしくみを考えているようだが、これは疑問である。彼の師匠のリチャード・ポ

    banraidou
    banraidou 2008/06/03
    おお、山形浩生に2004年の時点で喧嘩売ってるんだ、池田氏。
  • 中山信弘氏の情熱 - 池田信夫 blog

    知的財産権研究会のシンポジウムに行ってきた。1985年から2ヶ月に1回つづけられ、100回記念という息の長い研究会だ。テーマは「著作権法に未来はあるのか」。驚いたのは、会長の中山信弘氏が「今のままでは、著作権法に未来はない」と、現在の制度の抜改革の必要を説いたことだ。特に検索エンジンが「非合法」になっている問題については、6月16日の知的財産戦略部の会合で「合法化」の方向が出され、来年の通常国会で著作権法が改正されるという。メモから再現すると、こんな感じだ:著作権法は、300年前にできて以来、最大の試練に直面している。特にPCやインターネットで膨大なデジタル情報が流通し、数億人のユーザーがクリエイターになる時代に、限られた出版業者を想定した昔の法律を適用するのは無理だ。私も最近、教科書を書くために初めて全文を読んだが、こんなわかりにくい法律は他にない。昔建てた温泉旅館に建て増しを重ねた

  • 地デジの嘘 - 池田信夫 blog

    きょうの記事について、NHKの元職員からこんなメールが来て驚いた:私が在職中の研修(2003年頃)で聞いたのですが、完全デジタル化してアナログ放送を中止すれば今あるテレビはただの箱になる。そうなったら多くの国民が怒る。だからその対策としてデジタル信号をアナログ信号に変換するチップ(2011年には変換機は十円玉程度の大きさに出来るだろう)を総務省が無料で配布する予定。 しかし早い段階で無料で信号変換チップを配布するという計画が世論に出れば、デジタルテレビが普及しなくなるのでぎりぎりまで発表しないということでした。NHKは今でもこんな研修で、職員をだましているのだろうか。もしかすると教えるほうも気でそう信じているのかもしれないが、現実は下のサイトを見れば明らかだろう: これは来年のアナログ停波に向けて、FCCがデジアナ・コンバーターを買える80ドルのクーポンを配るウェブサイトである。当初

  • MIAUの発表について - 池田信夫 blog

    ネット規制法案についてのMIAUの反対意見について、いろいろな批判が出ている。「おまえも事前に見てたんだから、今ごろコメントするな」といわれるかもしれないが・・・ 法技術的には、Bewaad氏(そのもとは大屋雄裕氏)の批判は、ほとんどその通りで、「検閲にあたる」ということはありえない。相手はプロなんだから、憲法に引っかかるような書き方をするはずがない。「知る権利」というのは実定法で保障された権利でもないし、「教育という視点の欠如」に至っては筋と関係ない。 しかし私から逆に、法律のプロであるBewaad氏や大屋氏に聞きたいのは、そもそもこういう法律が必要なのかということだ。携帯については、業者が自主的にフィルタリングを始めているし、PCについてもインターネット・ホットラインセンターで紛争処理をしている(しかもそれが今回の法案の想定している紛争処理機関だ)。「有害」な情報は「違法」じゃな

  • JASRACを分割・民営化せよ - 池田信夫 blog

    今週の「サイバーリバタリアン」は、「はじめに文化ありき」とかいうスローガンをかかげる団体の話だ。オーウェルは『1984年』で、ニュースピークという言語の使われる国を描いたが、彼らのニュースピークを日語に翻訳すると、「私的録音補償金をiPodから取りたい」という意味だ。新聞もテレビもそうだが、文化をダシに使って利権あさりをする見え見えのレトリックは、もうやめてはどうか。 これに比べると、ネット法の「ハリウッドのようにプロデューサーに権利を集中しろ」という話は、許諾権を残したままでは改革とはいえないが、権利処理を一元化するのはいいことだ。特に映像の分野では、JASRACのような団体さえないので、権利処理が禁止的に複雑だ。音楽・映像・活字のライセンスを一元的に管理するイタリアのSIAEのような団体が必要だ。JASRACを他の分野に拡張してもよい。 その場合、JASRACと他のライセンス業者