UTCP特任研究員の池田喬さんの著書『ハイデガー 存在と行為』が創文社から出版されました。 出版社のホームページはこちら。 【本書カバーより】 ハイデガーの『存在と時間』は存在論の書物である。では、『存在と時間』のよく知られた、〈大工職人がハンマーをふるう仕方や、人が生きていく上で下す選択のようなものを分析すること〉が、なぜ存在論をやっていることになるのか。本書は、ハイデガーの読者を悩まし続けながらもこれまで明確な答えの出ていない上述の問いに、『存在と時間』における「存在と行為」の内的連関を解き明かすことで答える。アリストテレス実践哲学、カント倫理学、フッサール現象学とハイデガー存在論の関係を文献的に明らかにする中で炙り出される「存在と行為」の連関は、さらに、現代の行為論や倫理学の一般的文脈の中へ展開されていく。実在、行為、道徳性、死、幸福といった哲学の中心問題とハイデガー存在論の関係から
【概要】 近年精神疾患に関する遺伝子研究・分子レベルでの研究や脳イメージング技術を利用した研究により、様々な知見が蓄積されてきた。このような生物学的アプローチによる精神疾患研究は、精神疾患をどこまで解明することができるのだろうか。また、精神疾患研究全体の中で、生物学的精神医学はどのように位置づけられるのだろうか。本ワークショップでは、精神疾患研究の現状やDSM-5ドラフトの背景などについて整理しながら、精神疾患研究の将来を展望する。また、精神疾患研究の科学論の方向性についても展望を見出していきたい。 【プログラム】 13:00-13:10 趣旨説明 13:10-14:20 加藤忠史(理化学研究所・脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームリーダー) 精神疾患克服へのロードマップ 14:30-15:40 糸川昌成(東京都総合医学研究所・「統合失調症・うつ病の原因究明と治療法」プロジェクトリ
講演者: 成田和信(慶應義塾大学) 講演タイトル: 快楽について 講演概要: この報告では、幸福についての快楽主義(「幸福は快楽だけによって構成される」という考え方)をめぐる議論の中で「快楽とは何か」という問題に対して提示されているいくつかの見解を概観します。「快楽とは何か」という問題に関しては、大きく分けて二つの見解があります。ひとつは、「感覚説」とでも呼べるようなもので、「痛さや痒さの感覚があるのと同じように、快の感覚という独特の感覚が存在し、痛さや痒さの感覚には痛さや痒さというクオリア(どう感じられるかという意味での感覚的な質)がともなうように、快の感覚には快さというクオリアがともなう」と主張します。もうひとつは、「態度説」とでも呼べるようなもので、「快の感覚という独特の感覚などは存在せず、快さとは、心的状態や命題に対する心的態度である」と主張します。これらの見解を比較しながら、それ
「コミュニケーションとリハビリテーションの現象学」研究会 ―当事者研究、理論研究、臨床研究、支援技術開発をつなぐ― 第8回研究会「一人称の現象学とポリティクス」 主催:東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)「科学技術と社会」プログラム 使用言語:日本語 入場無料・事前登録不要 【第8回研究会プログラム】 発表 佐藤亮司(東京大学大学院総合文化研究科)「一人称報告と意識経験」 石原孝二(UTCP)「「一人称的視点」と「現象学」―当事者性をめぐる現象学のコンフリクトと可能性―」 池田喬(UTCP)「自己の喪失と獲得―一人称の現象学とポリティクス―」 岩川大祐(東京大学大学院総合文化研究科)「「一人称難民」の方へ—ジュディス・バトラーと多和田葉子をつないで」 目的と対象者: 本研究会は、コミュニケーション障害、身体障害、リハビリテーションと現象学の関係につい
講演者 塩野直之(東邦大学) 講演タイトル 行為の選択における判断の役割と動機の役割 講演概要 われわれは、なるべく理性的な判断に基づいて行為したいものである。しかし人は結局、自らを最も強く駆り立てる欲求ないし動機に即して行為せざるをえない。これは、「動機の強さ」という概念の定義から生じるトリヴィアルな帰結だとさえ言える。とはいえ人は、ある欲求を充足すべき欲求ではなく消去すべき欲求とみなしたり、目先の行為を単一の行為ではなく何度も繰り返される一連の行為の一例とみなしたりすることにより、多少とも思慮深い行為を遂行できる場合がある。そしてこのことは、理性的な判断が行為の選択に対して一定の影響を及ぼしうることを示すように思われる。しかし、本当にそうだろうか。むしろ、そのような一見理性的な判断自体が、欲求や動機のダイナミックなせめぎあいの結果として形成されるのではないだろうか。本発表はこのような問
2010年7月30日、UTCPシンポジウム「『存在と時間』再考──門脇俊介の哲学から出発して」を開催しました。 このシンポジウムは内外でハイデガー研究者として活躍した故門脇俊介元東京大学教授(前UTCP事務局長)のかつてのゼミ生たちが『存在と時間』のポテンシャリティーを再考するというものです。多数の参加者にめぐまれ、5名が発表をおこないました。発表者のみなさんにそれぞれの発表の内容をかんたんにまとめてもらいました。以下、順にご紹介します。 無関心・死・伝承──『存在と時間』の他者論 池田喬(UTCP) 本発表の目的は、『存在と時間』に不在とされる他者論をあえて展開することだった。そのためのヒントになったのは、<道具は目立たなくなることをその存在の構成的要件とするが、道具との交渉への没入することで他者も目立たなくなることは、ハイデガーにおいて非本来的な他者関係を意味する>、という門脇俊介の指
目次:ダウンロード 序文のかわりに 小林康夫:ダウンロード 第一部 行為・知覚・自己――現代哲学の共生の構図 意図的行為は理由の空間に含まれるのか?――意図的行為における因果・表現・制御 原塑:ダウンロード 知覚の概念主義の行方 古田徹也:ダウンロード 門脇俊介とドレイファスはどこで分かれたか――ハイデガーと認知科学の対話を通して 吉田恵吾:ダウンロード 和辻哲郎の倫理学における「信頼の行為論」について――ハイデガーとの対比から見る日常性における共生のあり方をめぐって 飯嶋裕治:ダウンロード 徳と行為 文景楠:ダウンロード 汝自身であるものになれ――『存在と時間』における〈自己〉の習得 西山達也:ダウンロード 第二部 ケア・寛容・共生――共生の哲学の展開 看護行為の時間――西村ユミとハイデガー行為論の拡張 村上靖彦:ダウンロード それぞれに自分らしい寛容と共生――門脇俊介と多文化主義の哲学
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く