以前、とあるクラシックの音楽番組からブラームスについての取材を受けたことがある。開口一番「ブラームスはどんなところが天才なんでしょうか?」と聞かれたので、言下に「いや、彼は天才じゃないでしょう」と応えたところ、「・・・・・」。 取材はボツになった。 どうやら番組としては・・・ブラームスは「保守的」な作曲家というイメージがあるが、実は「こんなに斬新」で「こんなに画期的」なことをやっていたんです・・・というような指摘とコメントが欲しかったらしいのだが、私の意見は全く逆。 ブラームスは「保守的で」「新しいことをやらない」「才能のない作曲家」なのに、現代に至る〈クラシック音楽〉の基礎を作った。そこが凄いのだ。 そもそも、昔から「天才」という言い方はどうも違和感がある。人のプラス部分をなんでも「天才」と一括りにしてしまうのは、マイナス部分を何でもかんでも「気違い」と一括りにしてしまうのと同じで「思考
![天才とは何だ?〜ブラームス型凡楽のすすめ - 月刊クラシック音楽探偵事務所](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c282694a569ad41ef8c75d7563f0d10f2ec2b573/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fyoshim.cocolog-nifty.com%2Foffice%2Fimages%2F2010%2F06%2F09%2Fbrahms.jpg)