1.SECのステートメント SEC(米証券取引委員会)が、2010年2月24日付けで、「コンバージェンスとグローバル会計基準の支持に関する」ステートメントを公表したことは周知の通りである。このステートメントは、(1)前回の2008年ロードマップ(PDF)で予告されていた強制適用を2015年以降に先延ばしし、(2)2009年12月から開始されるはずであった任意適用を差し当たり中止すること、を宣言したために、一見するとアメリカの後退を感じされる内容になっている。その意味において、アメリカはアドプションを断念しそうであると評価することもできるようにも思える。 「日本人が知らないIFRS」連載インデックス 第1回 IFRSは「会計」基準ではない、では何なの? 第2回 「IFRS襲来」ではない 第3回 「利益は過去しか表さない」が示唆すること 第4回 包括利益概念が表すIFRSの歪み 第5回 原則主