連載主旨 かつてものづくり大国と言われた日本が、欧米や中韓に追い上げられています。各社が激しい競争にさらされる中で、既にトップ争いから脱落しつつある業界、企業も見受けられます。韓国の素早いリバース・エンジニアリング(「模倣+α」)や欧州の「標準化+モジュール化」戦略に対して、従来の開発のやり方では勝てなくなっているのが現状です。この状況下で、日本の製造業が競争力を向上させるには、「すり合わせ」による差別化領域での技術の作り込み・ブラックボックス化と、「モジュール化」による非差別化領域での効率追求を組み合わせた「進化型すり合わせ開発」で、他国の追随を許さない技術品質と開発スピードの両立を実現することが必要だと考えています。また、それらを実践できる設計者の育成も必要です。本連載では開発現場の現状を共有しつつ、進化型すり合わせ開発について、どのように実践していけばよいかを開発プロセスと人の育成の