道は7日、ミズナラなどの樹木が枯死する「ナラ枯れ」被害を、道内で初めて確認したと発表した。渡島管内の松前町と福島町のミズナラ計9本が枯死した。ナラにはヒグマなど野生動物の餌となるドングリが実るため、被害が広がれば森林の生態系に影響を及ぼす恐れがある。道は対策に乗り出すとともに、被害木の情報提供を呼びかけている。 ナラ枯れは「ナラ菌」と呼ばれるカビの一種を、体長約5ミリの昆虫カシノナガキクイムシ(以下カシナガ)が持ち運んで引き起こす。カシナガが夏に、産卵のため樹木に穴を開けて侵入し、幼虫の餌にするため菌を植え付ける。菌が繁殖した部分は、水分などの通り道となる管が目詰まりし、水分が送られず葉の色が赤褐色にしおれて枯れる。 ナラ枯れは気温の上昇などで被害地域が年々北上しているとされる。2019年に青森県で急拡大したため、道は20年7月から渡島管内の森林で調査を開始。同年に松前、福島の両町で初めて