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池田信夫とbookに関するendorのブックマーク (15)

  • インフォコモンズ - 池田信夫 blog

    著者とは個人的なつきあいもあるし、よくを贈ってもらうが、だからといってほめないのが当ブログの冷酷なところ。残念ながら、書は「コモンズ」という基コンセプトからして間違っている。 コモンズというと恰好いいが、日語に訳すと入会地である。典型的には山林や漁場のように共同利用する資源で、経済学ではcommon pool resourcesとよぶ。これは排除不可能で競合的な資源のことで、「コモンズの悲劇」が起こることが知られている。しかしウェブは、この意味でのコモンズではない。情報は排除不可能だが非競合的だから、コモンズではなく公共財なのだ。この点は、セミナーでLessigにコメントし、彼も認めた。James LoveやWerbachなども、最近はpublic goodsという言葉を使っている。 コモンズというのは、著者が理想化するほど美しい世界ではない。むしろ前近代の日では総有制という

  • 政治と秋刀魚 - 池田信夫 blog

    著者(ジェラルド・カーティス)はRIETIの客員研究員だったので、何度か話したことがある。書のタイトルからもわかるように日が好きで、日語は完璧だった。「中選挙区制はワークしていた。それを壊した日は、しばらく混沌とした状況が続くだろう」というのが彼の予想だった。たしかに、かつては官僚が政策を立案し、自民党の派閥が利害調整を行ない、「国対政治」で野党の主張も取り入れる非公式の調整メカニズムが、それなりにワークしていた。 しかし、この安定したシステムで甘やかされた万年野党が政策の競争をなくし、利益集団にバラマキを行なう政治が続いてきた。1993年に小沢一郎氏が仕掛けた政治改革の目的は社会党をつぶすことであり、その点では成功したと私は思うが、その後15年も混乱が続いているのは、著者の指摘した通りだ。その根的な原因は、伝統的な調整メカニズムが崩壊したのに、それに代わるメカニズムができてい

  • さらば財務省! - 池田信夫 blog

    ご存じ高橋洋一氏の、財務省への決別の辞。といっても、ありがちな暴露ではなく、半分ぐらいは名著『財投改革の経済学』の一般向け解説だから、専門書を読むのがつらい人は、書を読めばだいたいのことはわかる。あとの半分は彼の個人史で、酒の席で聞いた話に比べるとかなりおとなしいが、一般の人が読むと驚くような霞ヶ関の内情が書いてある。 ちょっと意外だったのは「大蔵官僚が数字に弱い」という指摘だ。著者が財投のファンドマネジャーになる前は、金利リスクもヘッジしないで、兆単位の穴があくような運用をしていたという。たしかに東大法学部卒で、経済学も会計も勉強していない人がやるのだから、そんなものかとも思うが、数百兆円の会計を「丼勘定」で運用していた実態にはあきれる。 著者が理財局にいたときやった資金運用部の解体(財投債の発行)によって、財投改革の「丸」は終わっていた。一般には知られていないが、ここが実は最

  • テレビ進化論 - 池田信夫 blog

    最近、送っていただくが増えた(*)。当ブログの販促効果が知られるようになったからだろうか。『さらば財務省!』などは、当ブログ経由で140冊も売れた。ほとんど大型書店なみだ。先週は5冊いただいたが、そのうち2冊が屋で買ったあとだった。書もその1冊だ。 著者の出身は経産省コンテンツ課の官僚だが、風貌はとてもそうは見えない。書の中身も、ギョーカイの複雑怪奇なしくみを客観的に分析した入門書だ。書評は来月発売の『アスキードットPC』に書くので、ここでは気になった点を一つだけ:106ページ以下で、「地デジという名の時限爆弾」がテレビ業界を震撼させている様子を描いているが、その原因が「電波を有効利用したいという政府の決定によるものだ」というのは間違いである。 FAQにも書いたように、郵政省の頭には「有効利用」なんかなかった。これは(Q2に書いたように)後からつけた理屈だ。ハイビジョン(MUS

  • 情報社会の倫理と法 - 池田信夫 blog

    今度のネット規制事件は「情報社会の倫理」とは何かを考えるいいきっかけだろう。まったくの自由放任で秩序が維持できないことは明らかだが、では自主規制で「倫理」を教育すれば秩序は維持できるのか。 これは法哲学では古い問題で、書も少し紹介しているように、道徳をいくら教え込んでも、罰則がなければ実効性はない(だから「道徳教育」にはほとんど意味がない)。法哲学の標準的な理解は、ヘーゲル以来の「倫理の実体は、主観的な意見を超えて社会的に存在するルールと、違反を制裁するメカニズムである」というものだ。これは経済学も同じで、enforcementのない約束やモラルには意味がない。 しかしenforcementは、実定法には限らない。人類の歴史の圧倒的大部分では、それは共同体の暗黙の掟であり、英米では慣習法だ。それでも掟には「村八分」というペナルティがあり、慣習法には司法という第2次ルールがあるが、サイ

  • 株式会社の本質 - 池田信夫 blog

    経産省には株式会社の意味も知らない人がいるようなので、ちょっと前のだが紹介しておこう。著者の一人は、今はEconomist誌の編集長。書は、資主義のコアとしての株式会社の歴史を紹介したものだ。 会社とか営利事業体という概念は古来からあったが、多くは家族経営のような共同体的なものだった。しかし投資の規模やリスクが大きくなると、縁故に頼った資金調達では限界がある。特に16世紀後半から始まった「大航海時代」(植民地時代)には、香辛料などを求めて東方に航海するプロジェクトは「今日でいえば宇宙探査に投資するのと同じぐらいリスクが高かった」(p.40)。 そこでオランダやイギリスの「東インド会社」などの大規模な植民地事業では、収益の権利を株式として細分化し、多くの投資家にリスクを分散する方式がとられた。このときの最大のイノベーションは、有限責任という考え方だ。家族経営やパートナー制は無限責任

  • あなたの知的生産性を10倍上げる法 - 池田信夫 blog blog

    ・・・といったアンケートが、このごろよく来る。「アルファブロガーになる秘訣は?」「おすすめのブログは?」といった類だ。私はアルファブロガーだとも思っていないし、そうなりたいとも思わない。ただ思いつきを忘れないうちにメモしているだけで、日のブログもほとんど読まない。こういうアンケートには一切こたえないので、今後は送らないでください。 その類のハウツーの典型が、書である(画像はクリッカブルになっていない)。ベストセラーというのは下らないと相場が決まっているが、書も例外ではない。そもそも、こういうタイトルをつける神経が信じられない。これは著者(勝間和代氏)の知的生産の効率が他人の10倍だということを前提にしているようだが、それが当かどうかは、彼女のを読んでみればわかる。 たとえば『お金は銀行に預けるな』は、マルキールの有名な教科書のダイジェスト版だ。アクティブファンドよりインデ

  • 新左翼とは何だったのか - 池田信夫 blog

    著者は、いわゆるブント日向派(荒派)の元委員長であり、新左翼に(去年やっと)見切りをつけて、今は「環境運動」をやっているそうだ。日向派の教祖は廣松渉だったので、東大駒場にはたくさんいた。理屈とビラまきはうまいが、武装闘争はからきしだめで、そのうち革マルに追い散らされた。 そういう当事者が語るのだから、新左翼のおかした誤りについてちゃんと総括するのかと思えば、まるで他人事のように60年ブント以降の歴史を解説するだけ。あげくの果てには「共産主義各国の崩壊は、ハイエク流にいえば設計主義の破産であり、自生的秩序に反したからだ」。30年も党派を率いてきた委員長が、こんな(半世紀以上前からわかりきっていた)総括をするのでは、彼の言葉を信じて人生を棒に振った数百人の党員が泣くだろう。 あとの解説は、著者と同世代の人々には無価値だが、今の若い世代には「サヨクのおじいさんたちって、こんなバカなこと大真面

  • 北朝鮮vs.アメリカ - 池田信夫 blog

    手嶋龍一氏は、私の知っているかぎりNHK政治部でもっとも優秀な記者だったが、彼のフリーになって最初の作品『ウルトラ・ダラー』はいただけない。北朝鮮の偽ドル印刷というネタに意外性がない上、ストーリー展開が平板で、落ちもつまらない。何より小説という形をとったことで、彼の取材した情報が台なしになっている。 書はそれを枕に使いながら、まさに小説より奇怪な偽ドル事件の実態を描いている。私も奇異に思ったのは、2005年にバンコ・デルタ・アジア(BDA)が北朝鮮の資金洗浄を行なっていると主張するアメリカ政府の要求で資産凍結され、それに対して北朝鮮が抗議したとき、翌年ベルリンで2ヶ国協議を行ない、そのあと2007年の6ヶ国協議でアメリカが急に弱腰になったことだ。「テロリストとは交渉しない」はずのブッシュ政権が、テロ国家と名指した国と協議し、「核査察は金融制裁を解除しないと認めない」という筋違いの要求

  • 最強の経済学者 ミルトン・フリードマン - 池田信夫 blog

    先ごろ死去したフリードマンの伝記。彼の著書をまったく読んだことのない人には、わかりやすい入門書だが、経済学者が読んでも得るものはないだろう。著者はジャーナリストで、フリードマンの理論を学問的に検討してはいないからだ。彼が20世紀でもっとも影響の大きな経済学者の一人だったことは疑いないが、彼ほど敵が多く、誤解された経済学者も少ない。今でも、次のような見方が世間には多い:アメリカの経済がうまくいかなくなってきた1970年代から、ハイエクやフリードマンといった人々がケインズを批判し、再び古典派経済学を持ち出しました。[・・・]時代錯誤とも言えるこの理論は、新古典派経済学などと言われ、今もアメリカかぶれのエコノミストなどにもてはやされているのです。(藤原正彦『国家の品格』p.183)これは徹頭徹尾でたらめである。ハイエクやフリードマンは、当時の主流だった新古典派に挑戦したのであって、「古典派経済学

  • まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか - 池田信夫 blog

    Dan氏のところには訳が届いたようだが、私は原著しかもっていないので、それをもとに書く。したがって例によって、これは書評ではない(書評は2/25発売の週刊ダイヤモンドに書く予定)。 原著は2004年に出て大反響を読んだが、同じ著者のこれを上回る傑作、Black Swanが出たあと訳が出たのは残念だ。書の議論はBlack Swanで深められているので、1冊読むなら、そっちを読んだ方がいい。実は、書は別の版元で最後まで訳したのだが、あまりにも訳がひどくて廃棄され、ダイヤモンド社でやりなおしたという経緯がある。 ここでは、1点だけコメントしておく。それは著者の議論のコアになっている素朴ポパー主義だ。ポパーについては、当ブログで私が批判すると、アマチュアから粘着的なコメントが来るが、もはや見捨てられた過去の哲学者であることは世界の常識だ。著者もそれを前提にしているのだが、彼はあえてポパ

  • 途上国に必要なのは「温暖化対策」ではない - 池田信夫 blog

    日経新聞によれば、政府は今年の洞爺湖サミットの目玉として、発展途上国の地球温暖化対策に、5年間で総額100億ドルを無償資金協力や円借款などで援助する方針だという。このニュースを見て思い出したのは、2000年の九州・沖縄サミットで採択された「IT憲章」だ。 当時は「IT革命」が騒がれた最中で、「ITを目玉にしたい」と外務省が主導して、途上国に5年間で150億ドルの「IT支援」を行なうことを決めた。しかし途上国から「電力もない地域にPCを配ってもらっても困る」と批判されたため、土壇場で感染症対策に30億ドルの追加を決めた。このとき森首相(当時)が「電力がなくても携帯電話は使える」と発言したのは有名な笑い話だ。 今度の100億ドルも、これと同類の話題づくりだ。途上国が求めているのは、温暖化対策なんかではなく、医療と料である。このように政府や国際機関が、費用と便益のバランスを考えず、優先順位

  • 佐藤優バブル - 池田信夫 blog

    今年のベストセラー第1位は『女性の品格』だそうだが、部数×点数で最大のベストセラー作家は、佐藤優氏だろう。今年15冊、今月だけで6冊も出している。雑誌などでも、彼の名前を見ない週はほとんどない。これは『正論』から『週刊金曜日』までカバーする彼の幅広さ(というか無節操)のおかげだろう。 当ブログでも、彼の初期の(『国家の罠』と『自壊する帝国』)は評価したが、その後、山のように出た安直な対談はすべて無視してきた。書は書き下ろしだというので読んでみたが、神保町から自由が丘までの30分で読了。アマゾン的に表記すると、★☆☆☆☆である(だからこの画像にはリンクを張ってない)。 「国家論」と銘打っているのに、いきなり無関係な三位一体論の解説が延々と続き、『資論』によって国家を論じるが、その解釈は宇野弘蔵。あとは柄谷行人やカール・バルトなどが脈絡なく出てきて、結論は「日社会を強化するには、

  • オープンビジネスモデル - 池田信夫 blog

    昔、NTTの人にこんな話を聞いたことがある:1970年ごろ、研究所でデータ通信として2つの方式が実装された。一つはX.25のようなコネクション型で、これが電電公社の「データ通信」になった。もう一つは、コネクションレスのデータグラム(パケット)型だった。TCP/IPが実装されたのは1972年ごろだから、これは世界で初めて実際に動いたパケット通信だった。彼は「せめて両方やらせてほしい」と上司に提案したが、データグラム型の開発は中止された。あのまま進めていれば、NTTがインターネットの生みの親になっていたかもしれない。 NTTに限らず、日の大企業には「中央研究所」で基礎研究から製品開発までやるところが多いが、書はそうした「クローズド・イノベーション」の時代は終わったと論じている。その一つの欠陥は、上の例にみられるように、経営者が研究開発をコントロールするため、false positiveに

  • 404 Blog Not Found:池田節だよ「あちら側」は - 書評 - 過剰と破壊の経済学

    2007年12月08日23:45 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 池田節だよ「あちら側」は - 書評 - 過剰と破壊の経済学 Amazonから買った分が到着した翌日に献が来た。アスキーの新書編集部、星野さんに御礼。 過剰と破壊の経済学 池田信夫 「ウェブは資主義を超える」も献いただいたことを考えれば想定の範囲内のはずなのに。 前著がblogという「定期刊行物」の単行化なら、書は書き下ろしにより近い。どちらも面白いが、私には書の方がより面白かった。 書、「過剰と破壊の経済学」は、経済学者池田信夫が、梅田望夫流に言えば「あちら側」である、WebをはじめとするITが絡んだ経済を独自の視点で解いたもの。 目次 - 池田信夫 blog 過剰と破壊の経済学-「ムーアの法則」で何が変わるのか?より 序章 ビッグ・ブラザーの死 第1章 ムーアの法則とは何か トランジスタからICへ

    404 Blog Not Found:池田節だよ「あちら側」は - 書評 - 過剰と破壊の経済学
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