●はじめに 地上から打ち上げられるロケットの主な用途は,衛星を地球周回軌道に投入することであるが,それ以外に,50~1000km程度の高度まで弾道飛行させ,高層気象観測や微小重力実験などの学術用途に用いることもよく行われる。このような用途に用いるロケットをサウンディングロケットという。 地球温暖化が進行すると,成層圏オゾンの対流圏への降下量が増加し温暖化が加速することが化学・気候モデル実験によって明らかになる(Sudo K., Takahashi M., Akimoto H., Geophysical Research Letters, Vol. 30, pp. 24, 2003)など,近年,化学-気候相互作用に大きな関心が持たれている。成層圏大気成分を採取して地上の高性能な機器で分析し,微量化学成分の組成を明らかにする必要性が指摘されているが,高度50~60kmの高層成層圏は航空機でも気