前のエントリーの最後に出て来た指摘は重要だと思います。これはたぶんあたってます。移民層だけしか見ていなくてはダメで、フランス全体の階層分化が背景にあることを理解しないといけないということですね。 またJeune Afrique l'Intelligentの記事を読むまでもなく、郊外の低所得者用住宅が「移民のために」つまり隔離するために作られた、というような一部の報道における理解は間違っていますね。それなら「元からのフランス人」の低所得者層はそこに住めないことになるわけですから。 先に「同化主義」という言葉の危険について述べましたが(黒猫亭主人さんのご指摘によるとフランス大使のブログでもこの日本語が使われているとのことです。フランス人には、この言葉が日本人にどう受け取られるかがピンと来ないんでしょうね)、ここに出て来た「隔離」とでは方向性が全然違うはずですね。でも、なんだか「同化主義」も「隔
なんだか2005年という年はひょっとしたら世界的にこのフランスの暴動事件で記憶されるのではないかという気がしてきました。 日本での受け止め方としては、移民は受け入れたら厄介だという反応と、フランスは外国人を虐げているという義憤反応と、大きく二つがあるように感じます。 前者の反応について、興味深い数字があります。世界人口ブレティン27の「高齢化による労働力不足を移民で補えるか 国連の専門家会議が検討」という項では、日本は1995年の生産年齢人口レベルを2050年でも保持できるためには毎年60万9000人の、「扶養人口指数」を維持するには毎年1006万4000人(!)の移民受け入れが必要という試算が報告されています(この報告は先日の Journee pedagogique で西山教行さんが指摘されたものです)。 この数字は現状を前提に機械的に算出されたものですから、日本としてはよっぽど社会制度
フランスの暴動事件に関しては、あちこちのブログでとりあげられるようになりました。わたしもワールドミュージックにかこつけて書いているうちに、いろいろこの問題の諸方面での扱われ方自体が気になってきました(もっとも今回の事件の背景に経済的貧困の問題があるのはいわば当たり前でわたしが述べるまでのこともないのに対し、こういう問題に対して文化というものがどういう働きをしうるのかということについて日本ではかなり粗雑なイメージしかないように思われます。だからわたしが文化、音楽に焦点をあてることはまちがいではないと思うのですけど・・・)。 いろいろブログのあるなかでもTBをいただいたヤマグさんのご指摘はたいへん適格なものと拝察いたしました。 (^_^) m(_ _)m わたしのブログについてのご指摘も的をえたものです。たとえば全てのフランス人がフランス精神(というのももちろんわたしの想定するフランス精神です
たくさんコメント、TBいただいてありがとうございます。 m(_ _)m この事件は、やっぱり関心が高いですね。 みなさまに御礼、お答えしたいのですが本業が忙しくてままなりません(授業に、会議に、いろんな提出物を求められて途方にくれてます・・・ (;_;) )。フランスの新聞の報道もチェックできない状態でいろいろ書くのは無責任なのですが(既にヴィルパンが何か新機軸を打ち出すようなことを言ってますね)、5分でとりあえず現時点での展望について思うことをばばばっと書いておきます。つづきはまた明日以降にさせてください。 m(_ _)m (^_^)y サルコジはルペンではないので、ゴリゴリの移民排斥主義者、とか思ってしまうとひどい間違いをすることになります(このあたり日本のマスコミ報道からするとどうしても単純化した見方に誘導されてしまうように思いますが)。彼はフランスの主要都市にモスクを造ってはどうか
移民問題の続きです−−−けど、結局ワールドミュージックの話です。 f(^_^;) わたしが日本の新聞の「フランスの暴動」報道でいちばんまずいなあと思うのは、たとえば次のような言い方です: 「西欧各国がとった政策は、受け入れ国の価値体系への『同化』を求めるか、移民出身地の宗教・文化との共存を図る『多文化主義』をとるかで大別される。前者の代表がフランスで、英国は後者に属する」(読売新聞11月9日、筆者:森千春) (「同化」assimilationじゃないぞ、正しくは「統合」integration なのだとか言っても、これらの言葉自体、大多数の日本人は日本語として意識的に区別して使っているわけではないので、そういう議論は教養ある人の間でしか通用しないです。そうです、問題の「教養」です。 (^_^;) ) 日本の新聞の記事だけ読んだ日本の読者が「ワールドミュージックが広く愛好され、国家的にもバック
フランス諸都市の郊外で移民層の若者の暴動が起こり、今も拡大しているという事件はみなさんもご存知の通りです。今のところわたしの願いは、若者たちが無意味な破壊行為に走らないことです。そしてどこにも怪我人がでないように祈ります。 小さなことかもしれませんが、個人的にはジェラルドの車が焼かれたりしないかも心配です。彼はサン=ドニに住んでますし。マント=ラ=ジョリ(フォーデルの出身地です)に住んでいるファブリスはどうかな(この事件に関しては、天災じゃないしなんだかメールで様子を聞くのもやりにくいですね。新潟大地震のときには彼らは金沢に住んでいるわたしの安否を心配してくれてました。フランスのテレビでみたら金沢も新潟も一緒に見えたでしょう)・・・ フランス政府が当座の事態の沈静化とともに、移民二世向けの政策に見直しを迫られていることは確かですが、わたしはここで大局的なところから、文化の意義を考えてみたく
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