災害派遣時、陸上自衛隊は迅速に出動できるよう、救援資機材をコンテナに収納し、ユニット化した装備を全国の駐屯地および部隊に配備しています。人命救助専用装備の誕生は20世紀末に起きた大規模災害がきっかけでした。 国防がメインの自衛隊では珍しい人命救助に特化した専用装備 2020年7月上旬、活発な梅雨前線による豪雨が九州南部を襲い、甚大な被害をもたらしました。自衛隊も陸路と空路の両方で救援活動にあたっています。陸路での救援においてメインとなるのが陸上自衛隊でその主要装備というと、小銃や機関銃、戦車や戦闘ヘリなど、戦闘行動を想定した武器が多いですが、そのなかで数少ない人命救助専用の装備「人命救助システム」が、今回の災害でも用いられています。 拡大画像 九州南部豪雨に伴う災害派遣で、被災地で活動する陸上自衛隊第8施設大隊の隊員(画像:陸上自衛隊)。 「人命救助システム」は、様々な救助資機材をひとつの