宮間あや-ー彼女ほど誰かのために走り、怒り、笑い、泣ける選手に出会ったことがない。針に糸を通すようなパスを出し、合わせるだけでゴールにしてしまう多彩なキックを放つ。ピンチの時には最終ラインで体を投げ出す姿を何度も見た。例え疎まれようとも伝えるべきことは心を鬼にして伝える。けれどその厳しさの裏には誰よりも繊細な心を持ち合わせていた。厳格なイメージがあるかもしれないが、献身的であり、努力を怠ることはなく、"代表"に全力で向き合ったプレーヤーだった。 2016年シーズンを最後に、ピッチを退いた宮間にとって、2011年のワールドカップ優勝はどんなものだったのか。あの1カ月、生粋の挑戦者として戦ったからこそ見えたものとはーー。10年という年月を経て、「ようやく楽しかったと振り返られる」と宮間は笑顔を見せながら当時の記憶を紡いでくれた。 澤穂希(左)と宮間あや(右)のコンビは、なでしこジャパンで数多く
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