理化学研究所(理研)は3月5日、植物の高濃度セシウムに対する耐性を高める化合物を発見したと発表した。 同成果は、理研環境資源科学研究センター機能調節研究ユニットのアダムス英里 特別研究員、申怜 ユニットリーダーらの共同研究グループによるもので、3月5日付け(現地時間)の英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。 2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故では、大量の放射性物質が拡散し、とくに放射性セシウム「セシウム137」によって水田や畑など農地を含む広範囲の土壌が汚染され、農作物への影響が大きな問題となった。セシウム137は半減期が30年と長く、土に含まれる粘土や有機物と強い。 現在でも汚染が激しかった地域では農産物を生産できず、除染対策や農作物の安全確保に向けて、植物がセシウムを取り込む仕組みの解明が望まれている。 これまでの研究で、高濃度のセシウムが植物の