ドナルド・トランプ政権からスティーブン・バノン首席戦略官が退任した。グローバリズムに反旗を翻し、米国の経済利益を最優先する「経済ナショナリズム」の急先鋒と言われたバノン氏の退任によって、トランプ政権の経済運営はどのように変わるのか。そのヒントは、退任でも変わらない3つの現実にある。 第1に、バノン氏は退任しても、トランプ氏が大統領であることに変わりはない。トランプ政権下での混乱は、大統領のツイートや発言が元凶となっている場合が多い。トランプ大統領が変わらない以上、大統領を震源とした混乱は続くと考えたほうが良いだろう。実際に、バノン氏退任後の8月22日にアリゾナ州フェニックスで行われた演説は、メキシコ国境への壁の建設を強く求めるなど、トランプ節全開だった。 トランプ政権はオーソドックスな共和党路線 バノン氏の影響力は、過大評価されていた可能性がある。バノン氏がトランプ大統領の選挙運動に参画し
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