ロイター通信によると、フランスの放射線専門家グループCRIIRAD関係者は3月31日、福島第1原発事故を受け、放射性ヨウ素による甲状腺被ばくを防ぐ効果がある安定ヨウ素剤を、直ちにできるだけ広範囲に配る必要があると表明した。 日本の原子力安全委員会は放射線量が100ミリシーベルトを超えた場合、安定ヨウ素剤を予防的に服用すべきだとしているが、同団体は放射性物質の影響を過小評価していると批判。基準をさらに下げる必要性を強調している。 同団体によると、安定ヨウ素剤の配布を怠った場合、甲状腺がんの患者が今後数年で急増する可能性があるという。 関係者は「放射性物質による汚染が続く今、安定ヨウ素剤の配布を直ちに始めるべきだ。健康被害を最小限に抑えることができる。早急にできるだけ広範囲で配れば、まだ遅すぎることはない」と呼び掛けている。(共同)