現場で働く人々が、世界に誇る新幹線の安全性を支えてきたことは間違いない。それだけに現場の判断が狂うとその安全性は一気に崩壊する。2017年12月11日に起きた新幹線「のぞみ34号」の台車亀裂トラブルは、亀裂の長さが14cmにも達し、あと3cmで台車枠が破断するという極めて深刻なものだった。その原因は現場力への過信や思い込みだったことが明らかになった。 このトラブルには2つの重要なポイントがある。1つ目はなぜ台車枠に亀裂が発生したのか。そして2つ目は異常を知りながらなぜ運転を続けたのかということである。1つ目のポイントについては、2月28日にJR西日本(西日本旅客鉄道)と、問題の車両を製造した川崎重工業がそれぞれ記者会見を行い、問題点が少しずつ見えてきた。順を追って見ていこう。 外観は同じでも製造工程は違う 「平らになるまで削れ」。川重の兵庫工場で鉄道車両の台車枠製造の責任を担う班長が部下に
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