アメリカのジョー・バイデン大統領が総額2.3兆ドル(約250兆円)という巨額のインフラ投資計画「アメリカ雇用プラン」を3月31日に発表すると、その内容に全米の鉄道関係者がざわついた。「高速鉄道に言及していないぞ」――。 連邦上院議員時代のバイデン氏はアムトラック(全米鉄道旅客公社)の列車に乗って議会のあるワシントンDCに通っていたことから、ワシントンの人々から「アムトラック・ジョー」というニックネームを付けられていた。鉄道通勤しているからというわけではないだろうが、バイデン氏の政策は鉄道を重視している。 投資計画では高速鉄道に触れず アメリカ雇用プランは今後8年間にわたりさまざまな分野に投資を行うが、全体の3分の1にあたる6210億ドル(約68兆円)が交通分野の整備にあてられる。その内訳は道路や橋の改良、公共交通の整備、EV(電気自動車)の充電設備の設置、空港整備といったものだが、鉄道に関