【ジャカルタ=池田慶太】ハリー・ハリス米海軍太平洋軍艦隊司令官は3月31日、オーストラリアの首都キャンベラで講演し、中国が南シナ海で進めている岩礁の埋め立て工事について、「数か月にわたり、しゅんせつ船やブルドーザーで砂の万里の長城を築いている」と述べ、強い懸念を示した。 ハリス氏は、「中国はサンゴ礁の上に土砂を入れてコンクリートで舗装し、4平方キロ以上の人工の土地を作り出した」と語り、中国を名指しで批判。岩礁の埋め立てを続ける中国の意図に対し、「深刻な疑問が上がっている」と語った。 そのうえでハリス氏は、アジア太平洋地域が対立に向かうか協調に向かうかは中国の行動次第と指摘した。2002年に中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が南シナ海での問題の平和的解決をうたった「行動宣言」に従うよう関係国に強く求めた。一方で、「米国は中国に対して建設的な関与を続け、責任ある役割を果たすよう促していく」