5月28日午後に閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、香港への国家安全法導入が決まった。中国の国家安全法は政権転覆や機密情報漏洩の防止のみならず、領土保全からインターネット規制まで広い分野をカバーする法律だ。同じような法律を香港にも制定させることを、香港の議会にあたる立法会を飛び越えて決めた。 この法案に反対するアメリカのトランプ大統領は、中国に「強力な制裁」を今週中に行うと明言している。米中関係は極めて緊迫した局面を迎えた。 全人代の締めくくりとして、李克強首相は同日の日本時間17時過ぎから2時間にわたって会見した。李首相は経済関係の質問には極めて饒舌に答えたが、香港の記者から「今回の決定は一国二制度の放棄を意味するのか」と聞かれたときの回答はあっさりしていた。 「一国二制度は国家の基本国策だ」としたうえで、香港国家安全法については、「香港の長期的な繁栄と安定を維持する
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