人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜細胞を移植する世界初の臨床研究を実施した理化学研究所と先端医療センター病院(神戸市)のチームは2日、同市内で記者会見し、昨年9月に1例目の移植を受けた目の難病「加齢黄斑変性」の女性患者の術後について「経過は良好で拒絶反応はない。移植後1年のがん検査でも、異常は確認されなかった」と明らかにした。低下傾向にあった視力も、維持されているという。 チームは兵庫県内の70代の女性患者の皮膚からiPS細胞を作製し、網膜色素上皮の細胞シートに加工。昨年9月12日にシートを患者の右目に移植した。1年間かけ、移植した細胞ががん化しないかといった安全性と効果を評価していた。 会見した理研の高橋政代プロジェクトリーダー(54)らによると、女性患者は「治療を受けてよかった。明るく見えるようになり、見える範囲も広がったように感じる」と話しているという。 今回の臨床研究は加